<ロッテ2-0ソフトバンク>◇12日◇QVCマリン
最終回にも当然、ロッテ石川歩投手(28)の姿があった。3者凡退で締め、首位ソフトバンク打線を2安打完封。「9回は全部、良い当たりだったんで。バテました」と照れ笑いを浮かべたが、堂々と投げきった。投げ勝った和田に並ぶリーグトップタイ12勝目。CSを含む自身のソフトバンク戦の連敗を7で止めた。
1週間前のオリックス戦では、9回2死から1点差に詰められ自ら降板を申し出た。周囲の完投を期待する声の一方で、石川本人は「疲れしかなかった。まだまだ力不足です」と正直だった。己の状態や周囲を冷静に見詰める。この日は、6回1死で発揮された。川島を4球で追い込むと、突然、動きを止めた。足元を指さす。セミが落ちていた。球審に取りに来てもらった。「気になったので」。邪魔なモノは、冷静に排除。投げ急がなかった。
試合後、苦笑いで明かした。富山で育った少年時代、虫捕りは好きだったが「今は苦手です。いつの間にか、触れなくなりました」。だから、無安打の流れを止めてでも取りに来てもらった。仕切り直した次の球で、打ち取った当たりが内野安打。中村晃にも連打され、1死一、二塁。ピンチを迎えたが、やはり冷静に自分の投球を見詰めた。「球威が落ちている。制球重視で」。柳田に対し、フルカウントから内角ぎりぎりを突いた。見逃し三振。二塁走者は三盗失敗。併殺で切り抜けた。その裏、デスパイネが決勝2ラン。勝負の分かれ目を制した。
3連戦の頭を取り、チームは3連勝。最大11あったソフトバンクとのゲーム差が7まで来た。伊東監督は「まだまだ追いかける立場。でも弾みがつく」。混パへ、ターニングポイントの1勝とする。【古川真弥】