<阪神4-2中日>◇12日◇京セラドーム大阪
目の前のチャンスを必死につかみにいった。阪神鳥谷が9試合ぶりに再びスタメンを外れ、伸び盛りの北條が「1番遊撃」に座る。金本監督の期待の高さが表れたのは、2点リードの7回だ。無死一塁で新井が犠打。次打者はメッセンジャーだが、アウトになっても北條が控えている。2死二塁。ひと振りに充実ぶりが表れていた。バルデスのスライダーをとらえ、左中間を破る適時三塁打だ。
北條 ここまでの3打席でボールが見えていた感じはあったので結果につなげられてよかった。(遊撃スタメンは)あまり考えすぎずに。考えたら体も動かない。高校のときからやってきたポジション。思い切りやろうと。それだけです。
定位置を巡る競争に火花が散る。フルイニング出場が途切れた鳥谷はスタメン復帰8戦をへて再びベンチへ。7月24日広島戦(マツダスタジアム)で断を下したときは「休ませる」意図が強かった。この日、休養かと問われた金本監督は「ちょっと違うようなところもある」と説明した。さらに「今年、左投手に対する打率の低さ。体調面もあるし、左投手との相性を一番に考えて途中から出てもらった」と理由を明かした。
鳥谷は今季、左投手との対戦打率が1割5分1厘にとどまる。先発復帰中も左腕に9打数1安打だった。まだ復調の兆しは見えず、今日13日も左腕ジョーダンが先発するため、ベンチスタートの方向。「主力」の座は不動ではなくなりつつある。指揮官は言う。「他の選手にとってチャンスでもある」。長年の聖域だった鳥谷の定位置を若手が脅かす。勢力図が変わってきた。【酒井俊作】