<阪神5-2中日>◇13日◇京セラドーム大阪
若虎が金本監督の期待に応える輝きを放った。2試合連続で1番遊撃として先発出場した阪神北條史也内野手(22)が、プロ2号アーチを含む3安打の活躍だ。チームが苦手とする中日ジョーダン攻略の原動力となり、3カードぶりの勝ち越し。3位DeNAとの4ゲーム差は変わらなかったが、CS圏争いへ負けられない試合を制した。
目もくれない。快音を残しても、北條はがむしゃらに駆けていた。二塁を過ぎ、大歓声でやっと理解した。本塁打だ。4月3日DeNA戦以来の2号ソロ。「ボールが落ちてきてたんで、全力で走りました。入ると思ってなかったんで、びっくりしました」。本人が驚く1発だった。
「1番北條」が価値ある勝利を運んできた。アーチを決めたのは5回先頭。ジョーダンの直球を完璧に捉えた。ライナー性の打球は左中間スタンド最前列に飛び込んだ。京セラドーム大阪特有の、スタンドで跳ねてグラウンドに戻る本塁打はもちろん初体験だ。初回には先頭で左翼線へ二塁打を放ち、先制点に貢献。2回には右翼線へ再び二塁打。試合前まで阪神打線が1勝3敗、対戦防御率1・82と抑え込まれていたジョーダンから、自身6度目となる猛打賞の大暴れだ。
前日12日から江越、高山、中谷らと早出特打を敢行。金本監督の本格的な指導が始まった。豪快アーチのキッカケは、指揮官のひと言だ。「しっかり腰を使って、バットが上からダウンに入ってくれば、ホームラン出るよ」と助言された。トップから最短距離-。完璧な弾道を試合で披露。のみ込みの早さに金本監督も「今日の話。ビックリした」と仰天だ。
かっこよすぎる手本を後輩に示した。今日14日、母校の光星学院(現・八戸学院光星)が甲子園で試合を行う。「今のエースの子とか1年のころから自分は注目してました。優勝できればいいですね」と話すなど今でも気にかける。自身も4年前の夏の甲子園で大会4本塁打を放つなど暴れ回った。プロ入り後は豪快な打撃を見失っていたが、金本監督の指導でたくましくなってきた。
この日で89試合に出場。チームに欠かせぬ存在となりつつある。さらに、左腕投手との対戦とあって前日12日に続いて、鳥谷の代わりに遊撃で先発。金本監督を「すごく荷が重いと思う。そのなかで、そういう打撃ができるのは面白い存在」と言わしめた。中日に連勝し、3位DeNAとのゲーム差は4と不動。「ここまでホームラン1本だけだったんで。もっともっと打ちたいっていう気持ちはありますね」。北條が夏をさらに熱くする。