<日本ハム3-2オリックス>◇16日◇札幌ドーム
日本ハムが鮮やかな逆転勝ちで、首位ソフトバンクに1ゲーム差に迫った。2点を追う8回2死一、二塁から、代打矢野謙次外野手(35)が右前適時打で突破口を開き、続く二、三塁から、ブランドン・レアード内野手(28)の2点適時打で逆転に成功した。3連勝で今季最多の貯金24。最大11・5ゲーム差から最接近した。
敗色濃厚から一気にひっくりかえした。日本ハム栗山監督は「感動しました。選手を信じて手を打って、信じ切るだけだった」と喜びを抑え切れなかった。
熱い男が、勝利へのボルテージを引き上げた。2点ビハインドの8回2死一、二塁。ここから驚異の反撃を見せた。代打の切り札、矢野だ。変化球に2球続けて空振りしたが、追い込まれても熱い心と裏腹な、冷静な判断力でフルカウントまで粘った。6球目。「気持ちで食らいついていきました」。外角133キロのカットボールをはじくと、一、二塁間を抜けた。「ビビリながらも、今日は何とか気持ちで勝った」と、今季初の適時打が反撃ののろしとなった。
慢性的な右膝の違和感を抱えている。自宅のある都内近郊からリハビリを行う2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷まで、片道約1時間超をかけ車で通勤しているが、運転後はアクセルを踏んでいた右膝が固まり、動かすことが出来ないこともあった。「だいぶしんどかった」と体はきつくても、気持ちだけは折れなかった。
矢野の思いに呼応するように、チームの雰囲気が一変した。矢野の代走、谷口は続くレアードの打席で二盗に成功。二、三塁と一打逆転の場面をつくった。レアードはオリックスの抑え、平野にストライクを先行されたが、左前に運ぶ逆転2点適時打。「ああいう場面ダイスキ。ドキドキした」と日本語でおどけ、「スシサイコー!」と絶叫して爆笑を誘った。
6カードぶりにカード初戦を制し、最大11・5ゲーム差あった首位ソフトバンクに1ゲーム差に迫った。栗山監督は「心の底から優勝するんだと思って、前に進むだけ。勝負を仕掛けまくるしかない」と手綱を締めた。逆転Vが正夢となる日まで、前だけを見て突き進む。
▼日本ハムが首位ソフトバンクに1ゲーム差まで詰め寄った。6月24日に最大11・5ゲーム差まで離されたが、ソフトバンクが今月の月間勝率でリーグ最下位の3割8分5厘(5勝8敗)と失速。最近9試合で5ゲーム縮まった。過去に11ゲーム差以上の逆転優勝は4度あるが、どうなるか。