<日本ハム2-3ソフトバンク>◇20日◇札幌ドーム
これが3連覇を目指すソフトバンクの底力だ。1点を追う8回表無死一、三塁。重圧のかかる場面で、長谷川の思考はシンプルだった。「宮西投手との対決を楽しみに打席に立った。この投手から打ちたいという気持ちで。どこに飛ばすとかは関係なく、打ちたいと思った」。2球目の外角スライダーを踏み込み、捉えた。体重の乗った打球は左中間を破る。2者が生還し、逆転に成功。宿敵を突き放した瞬間だった。
雑念を消し、1球に集中する。9月の大失速から最終戦で優勝をつかんだ14年。昨年は夏場の独走で2年連続の日本一を達成した。日本ハムの猛追を受けても、4月19日を起点とする首位の座は譲らない。長谷川に至る8回の過程も強者のそれだった。先頭の柳田が左前打で出塁。カウント2-2で盗塁のサインが出た。一塁走者は思った。「内川さんなら、バットに当ててくれる。信じて、スタートを遅らせた」。あえてスタートを遅らせた。4番は信頼に応え、外角への変化球を引っ張り、左前打。ランエンドヒットの形でチャンスは拡大。ベンチは内川に代走城所を送り、長谷川の一打を待ち、結果は3連打での逆転劇となった。
大谷の19号ソロで支配された球場の雰囲気を、主軸3人が打開した。工藤監督は興奮気味に話した。「みんなが何とか攻略しようとする気持ちが出た。1つ1つの積み重ねが逆転劇を呼んだ」。チームは日本ハムに5カードぶりの勝ち越しを決めた。一気の3連勝で、今日21日に優勝へのマジックを点灯させる。【田口真一郎】