<阪神2-4巨人>◇6日◇甲子園
巨人沢村拓一投手(28)が、リーグトップの35セーブ目を挙げた。2点リードの9回に登板し、1安打無失点締め。昨年の36セーブに続き、球団では史上初の2年連続の35セーブを達成した。開幕から、セーブを重ね続けたが、8月は防御率4・26。守護神の不調は下降するチーム成績に直結した。勝負の9、10月に向け、守護神の復調は絶対。9月初セーブで自身も、チームも再加速する。
勝利に沸く、チームのそれではなかった。試合後、沢村が口にしたのは、自らのふがいなさと反省だった。「しょぼいです。本当に。2ストライクから、ボールを意識しながら、ヒットを打たれた。もっと意識しないと」。2点リードの9回、先頭の柴田を簡単に追い込みながら、浴びた一打を何度も悔いた。
苦しみ、もがき、手にした今月初セーブだった。自己記録にあと1と迫る35セーブ目をマーク。球団初の2年連続35セーブを達成した。「自己記録にあと1? 自分は大したことない選手ですし、数字は関係ないです」と一言。首位広島に14・5ゲーム離され、急降下した現実が重く、肩にのし掛かった。
「怖いです」。巨人の9回を任される守護神への期待、重圧、高揚感…。さまざまな感情を経験したが、恐怖は初めての感覚だった。勝負と位置付けた8月に、繰り返された惨劇。7日の広島戦ではあと1死から逆転され、5・5差に拡大。25日の同戦もあと1死から逆転負けを喫した。
当然のごとく、急降下の戦犯とされた。「何セーブ挙げても、失敗を許されないのが僕の仕事」と言い張る剛腕の心も弱った。「僕、何か事件でも、起こしましたかね…」。冗談でも、笑えなかった。
もんもんとした心を救ったのは、豊田投手コーチの言葉だった。試合前「自信がないです」と打ち明けると、「拓一が倒れるわけにはいかないんだ。お前がやらないと」とグッと背中を押された。「僕がやらないと。倒れるわけにはいかないので」と苦悩の先に、パッと道が開けた。
連敗を4で止め、甲子園では1分けを挟み無敗の7連勝。5年連続となる阪神戦の勝ち越しも決めた。「また、明日です」。剛腕の復活が、短期決戦の白星に直結する。【久保賢吾】