<ヤクルト9-1阪神>◇10日◇神宮
阪神金本監督の古巣でもある広島が東京ドームで優勝を決めた日、阪神は神宮球場で屈辱的な大敗を喫した。ヤクルト山田に3本塁打を許すなど9失点。1回に挙げた1得点のみで敗れた。金本知憲監督(48)も「空気感を変えられないおれが一番悪い」とふがいなさから怒りをあらわにした。
大敗が決まると、金本監督は怒りに肩を震わせベンチを出た。集中力のなさへの答えも、怒りにあふれていた。「うちのチームの一番悪いとこ。そういう空気を変えられない俺が一番悪い!」。打てず守れず。東京ドームから、わずか6キロの神宮で今季を象徴する大惨敗。ふがいない選手だけでなく、自分へのもどかしさでいっぱいだった。
高山とお見合いした板山の落球に始まり、一塁原口は後逸、坂本も落球のエラー地獄。失策はつかなかったが、中谷はバックネット直撃の大悪送球。岩田がけん制で誘い出してもゴメスは二塁へ投げなかった。監督自ら、4回と8回の円陣で2度も激しくカツを入れたが、初回以降は沈黙…。対照的に3発も浴びた山田のお立ち台モニターを見つめ、苦々しく言った。
「伝統的にある空気感でしょう。勝負どころであろうと、こういう消化試合みたいな空気でやってしまう。集中力、執念がないというか…」。超変革の最重要テーマとして、球際の執念など意識改革を掲げてきた。だが笛吹けど踊らず「(変えるのは)各自でしょ。投手、打席、守備、走塁で…。何回も言ってきたけど、選手が変わろうとしないからどうしようもない」。借金18になすすべなし、と吐き捨てるように言った。
広島との力の差も実感していた。「足と打力で負けた感じやね」。本塁打は広島の144に対して78。盗塁も広島の113に対して56。どちらも半分ほどだ。重苦しいバスは、広島の歓喜に沸いた東京ドーム近くの宿舎ホテルに戻った。【松井清員】