広島薮田CSローテ生き残った きょうマツダ凱旋

5回裏阪神2死三塁、福留を空振り三振に仕留めガッツポーズでほえる薮田(撮影・清水貴仁)

<阪神4-6広島>◇14日◇甲子園

 CS先発争いに生き残った。広島2年目の薮田和樹投手(24)は先発した阪神戦で毎回のように走者を出しながら。6回1失点でしのいだ。先発転向後、3連勝こそ逃したものの、修正能力と粘りの投球で猛アピールした。ジョンソン、黒田、野村に続くCS先発枠へ、1発合格とはならなかったが、希望はつないだ。チームは今季43度目の逆転勝利を飾り、今日15日、本拠地マツダスタジアムに優勝決定後初めて戻る。

 地鳴りがするような聖地甲子園の阪神ファンの応援も、薮田の耳には入っていなかった。ただ、捕手会沢のミットにめがけて投げ込んだ。5回1死三塁では、高山を真っすぐで空振り三振。福留はツーシームで空を切らせた。苦しみながら、毎回のように走者を背負いながら、リードを守りきった。2年目右腕が、初のクライマックスシリーズのマウンドへ望みをつないだ。

 立ち上がりは「どうなるんだろうと思った」。ツーシームが決まらず、1回だけで球数40球を要した。「どたばたしてもったいないイニングだった。先制点をもらったので、それを返さないことだけ意識した」。投球間のキャッチボールなどで得意球を修正。何とか立て直し。6回まで107球。リードを守って、救援陣にバトンを渡した。

 ピンチにも動じない精神力は2軍で培った。同じ失敗を繰り返していた春先、佐々岡2軍投手からの叱責(しっせき)に悔し涙を流したこともあった。昨季は6試合先発も、クオリティースタート(6回以上、自責3以下)は1度もない。今季は先発3試合すべてで達成している。福井のアクシデントで巡ってきた先発転向から2試合連続無失点。この日も苦しみながら6回1失点にしのいだ。

 自身3連勝はならなかったが、チームは今季43度目の逆転勝利で貯金を最多の36とした。緒方監督は「勝ちは意識していない。どうクライマックスシリーズに入っていけるかを考えている」と話した。粘投の薮田には「立ち上がりに不安がまだある。立ち直ったのは彼の成長。そこは評価したい。評価と反省が出た」と合格点は持ち越した。今後は試合日程の都合もあり、中継ぎで調整。課題克服をアピールして、CSのマウンドを目指すことになる。【前原淳】