阪神高山、原に並ぶ126安打 球団新人最多まで9

1回裏阪神1死一塁、中前打を放つ高山(撮影・宮崎幸一)

<阪神4-6広島>◇14日◇甲子園

 逆転直後に再逆転負け。さびしいシーズンは残り10試合。せめてもの楽しみが、阪神ドラフト1位高山俊外野手(23)の新人王へのカウントアップだ。1回に広島薮田から中前打し、3戦連続安打。通算126安打で、リーグの歴代新人では81年巨人原辰徳に並んだ。球団最多の98年坪井まであと9安打。タカヤマメーターでも作っておきますか。

 また1本を積み重ね、本拠地のファンを喜ばせた。ルーキー高山のバットが止まらない。1回1死一塁。広島薮田に2球で簡単に追い込まれた。3球目。高めの直球に詰まりながらも中前に運んだ。

 これで3試合連続安打。新人安打記録も81年巨人原辰徳が記録した126本に並び、セ・リーグ歴代9位。球団記録でも、01年赤星憲広の128本まで残り2本とした。9月に入ってからは9試合で10安打。「1試合1試合積み重ねていきたい」と話していたが、ヒットのない試合はわずか2試合のみ。有言実行で安打を積み重ねている。

 持ち合わせているのは実力だけではない。2点を追う7回1死満塁。初球から果敢に打ちにいったが、打球は一塁線へ力のないゴロとなった。最悪の併殺打コースだったが、これを一塁手松山が本塁に悪送球。結果的に1点を返す当たりとなった。安打を積み重ねる中で、運も味方についてきている。

 8月中旬からは金本監督の教えで、逆方向の左翼へ打つ練習が始まった。今でも試合前練習のフリー打撃を始める時には、「外、お願いします」と打撃投手にリクエスト。外角高めに投球してもらい、左翼方向に3、4球打ち返してから、通常通り打ち込む。弱点を指摘されたら素直に従い、練習を重ねて克服する。このひたむきさが、加速度的に高山のレベルを押し上げている。

 残り試合で阪神ファンの数少ない期待を背負う。それでも高山はクラブハウスへと戻る通路で、ふうっと大きくため息をつき、悔しげな表情でこう話した。

 「それよりも後の打席ですね。もう少しできることがあったと思うんで…」。自身の記録より、今もチームの勝敗だ。新人離れした責任感。その姿勢が頼もしい。【梶本長之】