<ソフトバンク1-2日本ハム>◇21日◇ヤフオクドーム
日本ハムのブランドン・レアード内野手(29)が、決勝の38号2ランを放った。0-0で迎えた2回1死一塁、ソフトバンク千賀の高め146キロ直球を振り抜き、左翼スタンド中段まで運んだ。西武メヒアに3本差と本塁打キングを独走する価値ある一撃で、天王山第1Rの勝利に結びつけた。
腹の底から、決めゼリフ「すしボーイ!」と、うなった。レアードが、一撃で天王山第1ラウンドを仕留めた。2回1死一塁。直前の岡がストレートの四球で出塁すると、読みを一点に絞った。「初球からいこうと思っていた」。ストライクが甘く入りやすい状況で、的確にフルスイング。内角やや高め146キロを、左翼席中段へ運んだ。先制2ランが、激闘の接戦の決勝弾になった。
心と心を1つにした。試合前、決戦の敵地に到着すると選手食堂に集結した。野手のレギュラー最年長35歳、田中賢が号令をかけた。選手だけで集った。静まり帰った密室で、投手陣のまとめ役の宮西から逆転Vにかけるスピーチを行った。中継ぎで1軍復帰した武田久、守備固めの飯山ら優勝の味を知るベテラン。ほか中田に有原らが、胸の内を吐露していった。
人選の指名役は田中賢。助っ人勢の代表で1人だけ選ばれたのが、レアードだった。来日2年目で、完全に大ブレーク。「すしパフォーマンス」など昨季は明るいキャラが先行したが、今季の猛追を導いた1人。ほとばしる思いを訴えた。
「僕らはこういう試合のために毎日プレーをしている。今年は投手陣が頑張って投げているので、それを続けてほしい。野手も今までと変わらず、今していることを続けていこう。僕は負けるために日本に来たのではない。今日、勝とう」
思いのたけを、仲間たちの心に注ぎ込んだ。ダイヤモンドを回ると、三塁側ベンチで祝福のシャワーを浴びた。「本当に、気持ち良かった」と悦に入った。
この日の打順は7番。8番に大谷がいたのは、レアードへの信頼の証しだった。栗山監督は「(大谷)翔平が後ろにいれば、レアードで勝負してくる」と読んでいた。「監督が大好きなんだ」と公言し、1発で恩返しをした。人情派の「すし男」が、Vロードを照らし出した。【高山通史】