オリックス小松が引退登板 最後は島内に右前安打

1回表楽天無死一塁、マウンドを金子千尋(右)に託し降板する小松聖(撮影・渦原淳)

<オリックス2-10楽天>◇29日◇京セラドーム大阪

 今季限りで現役引退するオリックス小松聖投手(34)が、29日の楽天24回戦(京セラドーム大阪)で先発した。

 スタンドからの「頑張れ頑張れ、小松!」のコールに送り出されて島内と対戦。外角直球を2球続けて2ストライクと追い込み、3球目は首を振ってワンバウンドのフォークがボールとなった。4球目のカーブは外角にボール。そして5球目は高めの137キロ直球を投じ、ゴロで右前にはじき返された。

 スタンドでは家族が見守り、試合中は通常ならブルペンにいるリリーフ投手陣もベンチから最後の勇姿を見届けた。小松はこれまでと同じく全力で腕を振って打ち取りにいったがかなわず、思わず苦笑いを浮かべた。これで予定の1人が終了。内野陣がマウンドに集まり、伊藤は寂しさから思わず涙ぐんだ。降板する小松にはスタンドから温かい拍手。そして出迎えたチームメートとタッチしてベンチ裏に下がった。

 06年ドラフト希望枠で入団。08年に15勝で新人王など10年間のプロ生活だった。今月22日の引退会見では「福島の田舎から出てきて、10年間は夢のような時間だった」と振り返った。4年ぶり先発となった現役ラスト登板で、最後の1球まで全力を貫いた。