<プロ野球ドラフト会議>◇20日
富士大(岩手)の最速152キロ右腕・小野泰己(たいき、4年)が、阪神から2位指名を受けた。福岡・折尾愛真高時代に夢に見た甲子園のマウンドが、プロで現実になる。球団の高い評価に感謝し、早くも新人王を宣言。故郷・福岡から遠く離れた岩手で素質を花開かせたみちのくの剛腕が、来年から虎党を熱くする。
あこがれのマウンドが、すぐ頭に浮かんだ。阪神に指名された小野の言葉に実感がこもった。「高校の時、甲子園を目指していた。そこでできるのがうれしい」。折尾愛真3年夏は、福岡大会初戦敗退。大きく成長した富士大での4年をへて、1度破れた夢が現実になる。
最速146キロを誇った高3時にプロ志望届を出したが、全国的には無名で指名されなかった。その悔しさをバネに、大学で素質を磨いてきた。2年春の北東北大学リーグに初登板して勝利すると、多和田(西武)との2枚看板で春秋連覇に貢献した。「球速、切れとも大学で一番伸びた」と胸を張るストレートは、4年春に最速152キロを計測。プロの注目度を高めた。
昨秋、西武からドラフト1位指名された1つ上の先輩、多和田が手本になった。「多和田さんはドラフト1位の力があった。自分もそこを目指せば近づけるのかな」と振り返る。投球術が参考になったといい「多和田さんはどんな場面でも動じず、強気なピッチングができる」。マウンドに上がれば弱気になることが減った。
「こんなに高い評価をしてくれた」と小野が感謝する阪神には、同い年の藤浪がいる。「少しは意識しますが、向こうは高校時代(大阪桐蔭)に春夏連覇していて、自分とは比べものにならない」と謙遜したが、豊田圭史監督(32)は「まだまだ(小野は)成長段階。僕らは地方大学。ハングリー精神がありますので」と、プロ入り後の飛躍を期待した。
今年、多和田が挙げた7勝を上回ることをプロ1年目の目標に掲げ「新人王をとります」と、高らかに宣言。即戦力投手として阪神の期待も大きい。まだ1度も足を踏み入れたことのない甲子園が、みちのくの剛腕を待っている。【久野朗】
◆小野泰己(おの・たいき)1994年(平6)5月30日、福岡・北九州市生まれ。大原小1年から野球を始める。折尾愛真(福岡)では最速146キロ右腕として注目を集めたが、3年夏の福岡大会直前に右膝半月板を損傷し初戦敗退。大学では2年春からリーグ戦登板。2年秋の明治神宮大会、3年と4年春の全日本大学選手権出場。183センチ、73キロ。右投げ右打ち。