緒方監督「間違えた」ジャクソン続投で判断ミス反省

8回表日本ハム2死満塁、ジャクソンはレアードに左越え満塁本塁打を打たれる(撮影・加藤哉)

<SMBC日本シリーズ2016:広島4-10日本ハム>◇第6戦◇29日◇マツダスタジアム

 折れることを覚悟でタクトを振った。広島緒方監督は後がない第6戦で攻めに攻めた。4回に代打新井を告げるなど、7回終了時点で野手の控えは磯村、西川と岩本だけ。序盤から代打攻勢をかけた。それでも夢はかなわず「敗れたのは監督である私の責任。選手は最後まで頑張ってくれた。本当に力足らずで最後まで応援していただいたファンの方に申し訳ない」と謝罪した。

 2連勝スタートから敵地での3連敗。勢いを止められず本拠地で散った。短期決戦での指名打者制に延長15回。未経験の領域でもがいたが、もろさも出た。選手起用も、信頼と決断の間で揺れた。8回に満弾を浴びたジャクソンについても「交代のタイミングを間違えた。今季ずっと切り抜けてきたが、自分の判断ミス」と反省の弁を述べた。

 敵将の胴上げを目に焼き付けた。悔しさをもって、反省と成長は続く。「本当にいろんな勉強をさせてもらった。失礼な言い方かもしれないが6試合で本当に大きな経験が出来た」。ファンに向けて謝罪ばかりだった会見。そのラストは「また来シーズン日本一にチャレンジします」と語った。静かにリベンジを誓い、会見場を出た。【池本泰尚】

 ▼広島が4連敗。第3戦から大瀬良、ジャクソン、中崎、ジャクソンとすべて救援投手が敗戦投手。救援陣が4敗は、57年巨人、65年南海、74年中日、92年西武と過去4度あった3敗を超える最多記録。

 ▼今村とジャクソンは6連投。1シリーズで6試合登板は08年西村(巨人)以来9、10人目(10、11度目)。6連投は56年稲尾(西鉄)03年吉野(阪神)に並ぶ最多タイ記録。吉野は7試合シリーズの第2~第7戦で、6試合シリーズで全試合登板は稲尾に次いで60年ぶり2、3人目。

 ▼ジャクソンが2敗目。外国人投手で2敗は、61年スタンカ(南海)76年ライト(巨人)01年パウエル(近鉄)に並ぶ最多タイ。救援で2敗はスタンカに次いで2人目。