西武中村、岸退団に寂しさも「全力で打ちにいく」

お立ち台でガッツポーズする西武岸(右)と中村(10年4月27日撮影)

 西武中村剛也内野手(33)が17日、早くも“打倒岸”を掲げた。西武第2での練習後、岸が退団を決めたことに触れ、「これから研究しないといけないですね。うちとやるときは、全力で打ちにいきたい」と腕をぶした。

 おかわり流の激励だった。右腕が入団してからの10年間、ともに勝利を目指してきた。三塁から見つめてきた背中は頼もしかった。「糸を引くような真っすぐ。後ろから見てきて、本当にいい投手だと思っています」。力を認める男が下した移籍という決断。だからこそ「やっぱり、一緒にやりたい思いはありますけど、(岸が)悩んで決めたことなので」と受け止めた。

 3年前も同じようにエールを送った。涌井がFA宣言してロッテに移った13年のオフ。「You Tubeで(涌井の)クセやデータを研究して、しっかり準備します」と打倒を誓った。今季までの3年間の通算対戦成績は、打率3割2分5厘の6本塁打。決して手を抜かず、“有言実行”で打ち込んできた。

 これからは敵となるが、同じ釜の飯を食った時間が消えることはない。中村は「(岸が)他の球団相手に投げるときは、もちろん応援しますよ」と笑った。この日、同じく西武第2で汗を流した渡辺も「西武を離れても、野球選手であり、仲間であることは変わらない。また球場で会って、対戦するのが楽しみ」と言った。新天地でも頑張れ-。来季からは、真剣勝負で打ち負かし、バットでエールを送る。【佐竹実】