中畑清氏、巨人再生へスター選手&侍ジャパンへ続々

ティー打撃の手本を披露する中畑氏。後方は大久保氏(撮影・野上伸悟)

 【台中(台湾)19日=浜本卓也】ジャイアンツ勢で侍ジャパンを占拠しろ-。DeNA前監督の中畑清氏(62)が、今季2位に終わった古巣の巨人再生に向け「スーパースターの誕生」を熱望。「代表に行くのが一番」と侍ジャパンに選出される活躍を求めた。今日20日の「台湾OB選抜-巨人OB選抜 チャリティー試合」には「5番一塁」でスタメン予定だ。

 現役時代の“戦闘服”が熱い思いを口にさせた。台中市内の日本人学校で行われた野球教室に王氏らと参加。巨人時代の背番号「24」のユニホーム姿で登場すると、約140人の生徒に「大谷翔平…とまでは言わないけど、ここからスターが出てきてくれたらうれしいな」と呼びかけた。

 スターの重要性をだれよりも知るからこそ、自然と出た言葉。子供たちへの思いは、2年連続で優勝を逃した古巣の後輩たちにも向けられた。「ONがそう。おれは(DeNAの監督として)4年間、外に出てつくづく感じる。巨人にもスターが必要。まだまだ今、弱いところにあるからね」と実感を込めた。そのために「代表にどんどんね」と、侍ジャパン入りして全国区になることを望んだ。

 今月中旬の侍ジャパン強化試合には坂本、菅野、小林誠、田口が選ばれたが、レギュラーといえたのは坂本だけ。中畑氏は04年アテネ五輪で代表監督を務めただけに「ゴウ(筒香)とか、鈴木誠也なんて一気にブレークした。神ってる、ね。お客さんを呼んで喜ばせられる」と、日の丸ならではの経験値の高さを知っている。「そういう選手をどういう風に育てていくか。ダメでも使わせるだけのものを持っていないとな」と巨人の後輩たちに積極的なアピールを期待。「ジャイアンツが弱いと歯がゆいよ。盟主として引っ張っていく形に戻っていかないと」。巨人にスターが誕生することで、球界も盛り上げてほしいとの願いも込める。

 当の中畑氏は台湾でもスター性をいかんなく発揮した。野球教室ではオーバーアクションで打撃指導。合唱を披露する生徒たちには突然“指揮者”となって両腕を振り回すなど、終始喜ばせた。帰り際には「シェイシェイ!」と絶叫し保護者も笑わせた。「これだけのメンバーで来ることなんてないじゃん。夢のコラボだよ」。今回勢ぞろいしたスター軍団のような強い巨人の復活を信じている。