阪神岩田復活へ賭けグラブ改革「やらなきゃ終わる」

岩田が今季使用した「横型グラブ」(左)と来季用の「縦型グラブ」

 縦型グラブでフォーム矯正! 阪神岩田稔投手(33)がグラブ改革を断行する。18日、大阪・藤井寺市内で行われた野球用具メーカー、ローリングスジャパンのトークショーに参加。今季まで横型だったグラブを縦型に変更することを明かした。今季8年ぶりに0勝に終わった左腕が、ニューアイテムで雪辱を期す。

 理想の投球フォームを作り上げるために大事な「相棒」をチェンジする。岩田は親指以外の4本の指で握る横型グラブから、親指と小指を挟むように握る縦型グラブへの変更を明かした。

 「何かおかしいなというのがあった。(縦型の)グラブで動きを作る。グラブで(投球フォームが)変わるんじゃないかと思う。それが出来ればボールが押し込める。球の質も変わる」

 変更を決意した理由は、岩田が今季不調の要因に挙げる「横振りの投球」だ。ボールをリリースする腕の振りは、グラブを持つ腕の使い方の影響を受けると言われる。今季は右肩が開きフォームが横振りになったことでボールに力が伝わりづらく、安定感を欠いた。グラブを縦型にすることで力のベクトルを縦に-。そうなれば理想の「縦ぶりの投球」に近づくというわけだ。

 メーカー担当者によると球界で縦型グラブを使用する投手は少数派。巨人杉内ら一部の選手しかいない。イチかバチかの賭け…。それでも岩田に迷いはなかった。

 「2016年が自分を見直すきっかけになった。年齢的にも結果が出なければ『次の年』というのはなくなる。やるしかない。やらなきゃ終わってしまう。終わりたくない」

 年明けには新しいニューグラブを携えて恒例の米国アリゾナ自主トレに向かう。トークショーでは詰めかけたファンを前にして今シーズンを「振り返りたくない。忘れたい」とも話した。絶対に見返す-。屈辱にまみれた左腕が「相棒」とともに逆襲ロードを歩み始める。【桝井聡】