阪神原口、今年こそ正捕手&リアル野球BAN参戦だ

ミットを手にスローイングの調整を繰り返す原口(撮影・河南真一)

 胸を張って今度こそ出演だ! 阪神原口文仁捕手(24)が11日、甲子園の室内練習場で自主トレを公開した。昨年は帝京高の大先輩、とんねるず石橋貴明(55)がMCを務めるテレビ朝日系「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」の人気コーナー、「リアル野球BAN対決」出演のオファーが届きながらも辞退。今季、捕手として100試合スタメン出場を目標に、堂々とした成績で出演を勝ち取るつもりだ。

 育成からはい上がり、駆け抜けた昨シーズン。今季さらなる飛躍を誓う原口に、1つの大きな発奮材料があった。大先輩のとんねるず石橋貴明がメインMCを務める「リアル野球BAN」出演へ。今季こそは、と背番号94が思いをはせた。

 「(番組は)見ました。まずは野球で結果をださないといけない。シーズンで結果を残して呼んでもらえるぐらいまでなれたら。毎年呼んでもらえるように頑張りたい」

 「リアル野球BAN」とはとんねるず石橋が母校の帝京高出身者でチームを結成、対決する企画だ。今月2日放送の同番組では、原口の1学年先輩の日本ハム杉谷らが「石橋ジャパン」として出演していた。同校出身の原口も番組から正式オファーを受けていたが、今オフは金本監督や球団の方針など若手選手のイベント出演が制限されたことも含め、17年の活躍を期し、あえて出演を辞退していた。

 出演はかなわなかったが、昨年末には都内の高級料理店で杉谷とDeNA山崎康も交え、石橋と会食。帝京高時代のことなど昔話に花を咲かせ、最後には石橋から今季に向けての激励の言葉も掛けられたという。「石橋ジャパン」入りへ思いは大きくなった。堂々たる成績であの舞台に立つ。1つの条件として原口は今季の目標を口にした。

 「キャッチャーとして100試合以上マスクをかぶらないといけない。そこを1つの目標にしたいと思います」

 昨年は107試合出場で、捕手先発マスクは68試合。100試合先発出場となれば身体的負担は当然大きくなる。だが、原口はすでに対策済み。昨秋キャンプから、けが予防も兼ねて股関節の可動域を広げるトレーニングを行うなど、目標達成に向けて着々と準備を進めている。さらに自ら弱点と認めるキャッチングも、オフ期間に練習を重ねて手応えをつかんでいる。

 「去年は難しい立場からのスタートで、必死にやってこれたので、ああいう結果になった。今年もその気持ちを忘れず、より結果にこだわってやっていきたいです」

 真価が問われる原口の“2年目”が始まった。【梶本長之】

<阪神原口の16年>

 ◆支配下昇格 4月27日巨人戦で育成から支配下登録で即日1軍昇格。山田2軍バッテリーコーチの背番号82のユニホームを借り、初出場。プロ初安打も。

 ◆月間MVP 5月に打率3割8分、5本塁打、17打点で月間MVPを獲得。育成経験の野手として、昇格翌月の受賞はともに球界初。

 ◆捕球失敗 5月15日DeNA戦(横浜)、3点リードの8回2死二、三塁で内野への飛球を、原口、今成、ゴメスがお見合いする形で捕球できず。この場面では2者生還を許すなどし、結局その日の試合は引き分けだった。

 ◆球宴 監督推薦で出場。いずれも途中出場し、横浜での第2戦は代打でフェンス直撃の適時二塁打を放った。

 ◆4番 7月31日中日戦で4番起用。球団捕手では78年田淵以来、育成経験者では球団初。

 ◆右肩痛再発と守備面の数字 シーズン最終盤に古傷の右肩痛を再発。代打や一塁起用が増加した。捕手で先発出場は68試合はチーム最多。阪神で100試合以上先発マスクをかぶった捕手は、144試合出場した城島が最後。ちなみに、原口の盗塁阻止率2割3分3厘(56盗塁を許し、刺したのは17度)。7捕逸はセ・リーグの規定到達捕手でDeNA戸柱に次ぐ多さだった。