西武今井、ドラ1ブルペン一番乗りもマイペース調整

捕手を立たせブルペンで投げる西武今井(撮影・鈴木みどり)

 ハイペースじゃありません! 西武のドラフト1位、今井達也投手(18=作新学院)が新人合同自主トレ第2クール3日目の14日、初めてブルペン入りした。今季のドラ1投手の先陣をきってのブルペン投球は、足元を見つめた自覚の表れ。昨夏の甲子園V腕が、マイペースでルーキーたちの先頭を突っ走る。

 気温3度のブルペンに乾いたミット音が響き渡った。今井はフォームのバランスを確認しながら1球1球丁寧に投げ込んだ。捕手を立たせ、直球のみで30球。序盤は吹かし気味の球が多く「納得いく球があまりいかなかった。今はまず、下半身強化など土台作りが大事と、あらためて思いました」と口元を引き締めた。

 今季のドラ1投手で最速のブルペン入りも、決してハイペース調整ではなかった。入寮前から入念にキャッチボールを繰り返し、肩の仕上がりは順調。「平地と傾斜では使う筋肉も違う。このタイミングで1度、フォームの確認をしたかったので(ブルペンに)入らせていただきました」。投球の現状把握のため、前日13日に自ら申し出た。ノーワインドアップ→ワインドアップ→セットポジションの順でフォームを変えながら、「上体が突っ込まないように」意識した。

 見守った鈴木球団本部長は「指にかかった球は140キロ台は出ていたんじゃないか。今井は西口と岸をミックスした感じかな。この時期にあの球は素晴らしいよ」と絶賛。その上で、高卒で身長180センチ、体重70キロの細身の体形も鑑み「彼のペースを尊重しながらも、抑えるところは抑えないと」とくぎを刺した。

 高校でも「フォームを固めるテーマで、1月からブルペンに入ってました」という今井。今後のブルペン入りに向けては「自分の調整の仕方もある。タイミングや回数は、考えをしっかり持って、相談しながら決めていきたい」と、自らのペースで進めたい自覚を示した。さらに「辻監督が(視察で)いる時は、投げさせてほしいと思っています」と、春季キャンプA班(1軍)スタートへ、猛アピール宣言も飛び出した。

 寒波に襲われた西武第2も「栃木の方がもう少し寒いんで」と意に介さなかった最速152キロ右腕。「まだまだ真っすぐは成長していけると思ってます。欲を忘れずにやっていきたい」。貪欲に、マイペースに、歩を進めていく。【佐竹実】