楽天ドラ1藤平はだしで剛球「母指球で地面つかむ」

室内練習を終え、シューズを脱いで歩く楽天ドラフト1位の藤平(撮影・柴田隆二)

 足元にこだわって力を積む。楽天ドラフト1位の藤平尚真投手(18=横浜)が新人合同自主トレ第2クール4日目の15日、Koboパーク宮城で初めてブルペン入りし、21球を投げ込んだ。最低気温が氷点下5度となった仙台市内の寮では、はだしで生活し、練習前後は靴を履かずに靴下のみと徹底。足の母指球の感覚を磨いている。ノースローのメジャー流の調整法も取り入れるなど、柔らかい思考で1軍キャンプに挑む。

 1球、1球の感覚を確かめた。マウンドに立った藤平は「20球お願いします!」と元気よく声を出すと、セットポジションからしなやかに右腕を振った。白球は「シューッ!」と音を立て、立った状態の捕手が構えたミットに、伸びるように収まった。直球18球、スライダー3球の全21球。「いいトレーニングをしてきて、ボールの回転数に効果が出ている」と初ブルペンを笑顔で振り返った。

 はだしが球の回転数を上げる。午前9時半の自主トレ開始時間。「おはようございます!」と練習場に現れる右腕の足元は靴下だけ。「本当ははだしにしたいんですけど、寒くて…」と仙台の気温には負けるが、練習以外は靴を脱いで足先の感覚を日頃から磨く。

 きっかけは中学3年。陸上の大会で競技の間にスパイクを脱いでいたら記録が伸びた。「感覚が良かった。そこからずっとです」と全国大会の走り高跳びでは準優勝するまでに成長。野球に専念した横浜高校の寮でもはだし生活を続けていた。「足の母指球で地面をつかむ力が養われる」と自ら考えて実行し、最速152キロまで球速を伸ばした。プロ入り後も続行中で「部屋の中は温かいので、はだしです」と胸を張る。

 足元を見つめ、練習する。この日のブルペンでの投球数は21球。1軍キャンプ参加が内定しており「キャンプインまでにしっかり投げられる状態にしたい。周りの大学、社会人の方は体が出来ている。合わせると故障が出るかもしれない。自分が投げたい数から抑えて投げる」と周囲に流されない調整を心がけている。

 グラブに刻んだ刺しゅうは「一日一生」。横浜高校で知り、気に入った言葉だ。「見えないところでライバルは練習している。それ以上の練習をしないと。1日を大切に。積み重ねが一生の野球ができる長さにつながる」と日々の練習が結果につながると説明する。謙虚に実直に。1歩1歩、実力をつける。【島根純】