巨人リャオ史上最高角度!?高低差170センチ球

ブルペンで力強い投球を見せる巨人廖任磊(撮影・横山健太)

 規格外の最高到達点で度肝を抜いた。巨人ドラフト7位で台湾出身の廖任磊(リャオ・レンレイ)投手(23=開南大)が18日、川崎市のジャイアンツ球場で初めてブルペンに入った。

 捕手が立った状態で12球、中腰で10球。真骨頂はその直後、捕手が座ってからの7球にあった。踏み込んだ左足に125キロの体重を乗せた瞬間、身長201センチのさらに頭上で放ったボールは地上約50センチのミットに収まった。「自分の特徴を生かすために角度を意識しています。バッターの目線から消える場所から、たたきつけるように低めに」。マウンドの高さを足せば高低差約170センチ以上にもなる、最大の武器がベールを脱いだ。

 球団史上で最も高いリリースポイントの持ち主かもしれない。見守った尾花投手コーチは「ダイナミック。角度がある。これだけでかいのは見たことないよ」と評し、受けた河原ブルペン捕手は「恐怖心を感じる高さでした。140キロ近く出ていたと思うし、球が重い」と舌を巻いた。リャオは14~15年に米大リーグのパイレーツ傘下のマイナーリーグでプレー。猛烈な競争の中で「頭の上、一番高い場所で離すようにしました」と長所を確立させた。

 規格外の体には未知の可能性が詰まっている。ユニホームのサイズは、アンダーアーマー社との契約が始まった15年以降で最大の5XLに決まった。通常のMサイズから6段階大きく、胸囲135センチ、ウエスト105センチ、ヒップ128センチに相当する。新人合同自主トレで着用中の白いビブスも2XLの特注品。スケールの大きな今後について、尾花コーチからは「高いレベルの競争を望むよ」と激励の言葉を贈られた。リャオは「宮崎でアピールして、沖縄に連れていってもらいたいです」。高みを見据えて突っ走る。【松本岳志】