阪神1位大山、松田ばり熱男だ 声出し役名乗り

ノックを受けに向かう大山(撮影・河南真一)

 三拍子は打撃、守備、そして声!? 鳴尾浜での新人合同自主トレに参加した阪神ドラフト1位の大山悠輔内野手(22=白鴎大)が18日、試合での「声出し役」に名乗りを上げた。目標とする選手の1人でもあるソフトバンク松田宣浩内野手(33)の十八番「熱男(あつお)」にならい、「虎の熱男」としてチームを盛り上げることに熱意を示した。

 目指すは突き上げるようなガッツポーズとふるえるのど仏…ソフトバンク松田が絶叫する「熱男~」だ。普段は温厚そうな大山だが、ルーキーイヤーの今シーズン、試合では誰よりも声を張り上げる覚悟を明かした。松田を目標選手の1人に挙げるだけに、チームを盛り上げることにも前向きだった。

 「声は技術ではないと思う。気持ちの部分。松田さんのように声を出せるかといったら環境(面の問題)もありますけど、そういう声であったり気持ちを、少しずつ出せていけたらいいかなと思います」

 松田といえば三塁手として走攻守そろった一流選手。大山にとってプレー面で参考とする部分はあるだろうが、もっとも手本としたいのはムードメーカーとしての一面なのか。33歳になっても明るいキャラクターでチームをけん引する姿勢は、大山の教材になる。事実、新人合同自主トレでも、松田のようなアグレッシブな姿勢をのぞかせている。ノックでは、他の新人選手らへ精力的に声を掛けて盛り上げている。2年目の高山ら先輩選手とも積極的にコミュニケーションを取る。チームの輪を重視しながら、自然と盛り上がりの中心にいるのだ。

 大学時代から、自分でチームを引っ張る必要性を感じていたという。下級生のころは進んで声を出すような選手ではなく、先輩に任せきりだった。最上級生になった自覚から改心したと振り返る。「そういう気持ちになってから、試合中は自分が率先して声を出してきました。(ポジションが)投手に近かったので声掛けも意識してやっていました」。意識改革は打撃にも好影響を与えた。4年春のリーグ戦で8本塁打。大学日本代表でも4番を務めて注目を浴び、阪神の1位入団につながっていった。プロでも明るく、激しく、チームを引っ張る姿勢は崩さないつもりだ。

 「これからは先輩たちにも声をかけたり、自分の思っていることを口に出していくことが必要かなと思う。徐々に出していけるようにしたい」

 合同トレを視察した高代ヘッドコーチも、新人大山の松田化願望に「そうなるに越したことはない。目標は高く持って欲しい」と後押しした。新人だろうが関係ない。大山が走攻守に熱男魂も加えてチームを変える。【梶本長之】

<阪神主なムードメーカー>

 ◆「浪速の春団治」川藤幸三 もっぱら代打のため、ベンチで声を張り上げた。バースに将棋を教えて親しく語り合うなど、気配りも。

 ◆“元祖”カツオーッ!? 平田勝男 冗談のセンスと話術、ヤジの声の大きさは一級品。とりわけ中西清起投手、木戸克彦捕手との掛け合いはM-1級?

 ◆「グラティ」西岡剛 13年、ホームランの際に全員で両手を外野方向に振り向ける「グラティ」を発案し、ベンチを明るくした。

 ◆「一番や!」オマリー 93年首位打者。お立ち台での絶叫「阪神ファンは一番や!」がお約束になった。

 ◆お立ち台で熱唱 広沢克実 01年6月21日巨人戦で「次にサヨナラ打を打ったら『六甲おろし』歌います」と約束。同年8月29日の同戦で本塁打を放ち、熱唱した。