阪神福留、空港閉鎖で移動に半日!キャンプ前に混乱

宮崎空港で振り替え便の搭乗手続きをする阪神福留(撮影・横山健太)

 阪神福留孝介外野手(39)が30日、明日2月1日のキャンプインを前にとんだトラブルに巻き込まれた。那覇空港で航空自衛隊のF15戦闘機の前輪部分が午後1時20分ごろ故障し機体が動けなくなり、滑走路が一時閉鎖となるトラブルが発生。大阪・伊丹からの直行便で沖縄入り予定だった福留の搭乗便が、目的地変更で宮崎空港に着陸した。福岡経由での那覇到着は午後10時過ぎ。チーム最年長が疲労困憊(こんぱい)の長~い1日になった。

 険しい表情だった。午後10時26分。スーツにメガネ姿の福留が静まり返った那覇空港に現れた。熱狂的な虎党も、さすがにこの時刻にはいない。本来は那覇空港に午後1時40分に到着するはずだったが、約9時間遅れの長旅。チーム最年長の39歳も疲れを隠せなかった。

 那覇空港が騒然となったのは午後1時19分だった。航空自衛隊那覇基地所属の戦闘機が離陸しようとしたところ、前輪部分が故障し、脱輪。滑走路が閉鎖される事態に陥った。午後3時9分に運航が再開されたが、少なくとも欠航が40便、目的地変更や出発地への引き返しが20便。実に60便に影響が出た。到着便が那覇空港に降りられず、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)にいったん着陸し、待機する便もあった。

 キャンプに向けて沖縄入りするプロ野球関係者も例外ではなかった。阪神福留は午前11時20分の便で大阪空港を出発。ところが、滑走路閉鎖のため、那覇空港上空をぐるぐると旋回した後に航空機が宮崎空港に行き先を変更。ソフトバンク、巨人などのキャンプ地・宮崎に降り立つことになってしまった。宮崎発の那覇行きは午後の直行便がないため、宮崎から福岡に北上してから那覇入り。約3600キロの大移動だった。

 影響を受けたのは阪神の看板選手たちだった。1軍の沖縄・宜野座キャンプに参加する40選手のうち、若手を中心とした32選手が前日29日までに沖縄入り。この日は外国人を除く福留、能見、鳥谷、糸井の4選手が到着するはずだった。鳥谷は約37分の遅れで夕方の便で到着。集まった報道陣に苦笑いを浮かべた。

 球団は選手たちに不測の事態に備え、30日までの沖縄入りを呼びかけていた。キャンプ初日に選手が間に合わない…といった最悪の事態は免れることができた。福留にとっては思わぬ災難だったが、キャンプイン2日前のトラブルであったことが、不幸中の幸いだった。【桝井聡】