工藤監督、初顔13人抜てき 競争で戦力底上げ図る

必勝祈願に訪れた前列右から王会長、工藤監督、後藤代表取締役社長兼オーナー代行らソフトバンクナイン(撮影・今浪浩三)

 出てこい若鷹! ソフトバンクは30日、明日2月1日から始まる宮崎春季キャンプでのA、B組のメンバーを発表した。A組41選手のうち初選出がナント13選手。外国人をのぞく投手陣18人の平均年齢は24・6歳とフレッシュなメンバーを集めた。福岡市・筥崎宮で必勝祈願を行い、工藤公康監督(53)は「1(ワン)ダホー! のスローガンのもと、心ひとつに、チームをひとつに日本一奪還」と3000人のファンに約束。戦力アップの発掘キャンプが明日から始まる。

 V奪回の地盤固めとなる春季キャンプのA組投手陣に、フレッシュなメンバーが名を連ねた。和田や武田、千賀、外国人らの名もあるが、投手21人のうち、初選出(外国人のぞく)が6人。しかも、育成の吉本もA組入り。工藤監督が言う。「厳しいキャンプになると思う。その中で生き残っていかなきゃいけない。若い人たちはしっかりやってほしい」。激しく競争させて、戦力の底上げを図るつもりだ。

 注目のドラフト1位田中正義投手(22=創価大)は当然のこと、メンバー入りしたのは、15年ドラフト1位の高橋、昨季支配下登録された石川、11年ドラフト2位の吉本…。150キロを超える直球が武器の豪腕ぞろいだ。6年目の吉本は「ラストチャンス。正直、A組とは思っていなかった。2月にすべてをかけるくらいの気持ちでやりたい」。育成ながらチャンスを与えられ、目をぎらつかせた。

 キレで勝負する14年ドラフト1位右腕の松本裕、昨年2軍で9勝の左腕笠原も入った。もっとも、キャンプ中盤からはB組スタートの中田、摂津、松坂らベテラン組もA組に合流予定。若手にとっては最初の数クールから激しいサバイバル合戦を勝ち抜かなければならない。

 その中で35歳の和田をA組に据えた理由について、工藤監督は「(1軍)確定の選手です」と説明。チーム投手陣の柱として、けん引役に指名した。選手育成も託され、今季から新たに3年契約を工藤監督は結んだ。王座返り咲きだけでなく、投手王国建設への1歩とする意気込みが「発掘キャンプ」に表れている。

 投手だけでなく、実績のある高谷、鶴岡もB組スタートで、A組捕手4人はほとんど1軍経験がない。工藤監督は「ブルペンを見るのが楽しみ。楽しく見させてもらう」。外野にはミギータこと真砂が初A組。初選出組ではないが、投手の島袋、外野の上林ら若手がズラリ。明日2月1日から始まる春季キャンプで吹く新風こそ、V奪回への追い風となる。【石橋隆雄】