中日森監督が抜本的改革 選手にファンサービス強調

全体ミーティングを行う森監督(撮影・前岡正明)

 中日森繁和監督(62)が3つの改革に着手した。1月31日、沖縄県恩納村の1軍宿舎で恒例の全体ミーティング。集まった140人のナインらに「明るく楽しく」「ファンサービス」の2点を強く訴えた。中日では超異例の担当記者あいさつも行うなど、かつての星野仙一監督のようにメディアとタッグを組む戦略も練る。

 約1時間におよぶミーティングの最後。マイクを握った森監督は「2つだけ」と切り出した。

 (1)明るく楽しくやろう

 「与えられたメニューで、どうせ同じ練習をするなら明るく楽しくやろう」

 黙々と練習に励む玄人集団が、成績を残せなくなり「暗い」といわれるようになった。監督からGMになった落合氏もこの日付で退団。当時も今も知る新指揮官は新しい色を生みだそうと訴えた。

 (2)ファンサービス

 「その気持ちをもう1回持ってほしい。応援してくれるファンに少しでも返していこう。そうすれば色々なことができる」

 指揮官は球団の営業担当や本社がどうお金を稼いでいるかまで説明。子どもだけでなく「若い女の子がいっぱい来るのも1つだし」とファン層を広げる効果にも言及した。

 さらに監督は、担当記者をミーティング途中に部屋に招き入れ、媒体名と名前の書かれた紙を持たせて1人ずつあいさつさせた。「こういうことをやったらお互い近づきやすくなるんじゃないの」。山田久志監督が就任1年目の02年、同じ場で「記者に話すのはプロの仕事。ちゃんと話せ」とスピーチしたことはあったくらい。超異例だ。

 星野仙一監督は「マスコミも戦力」と積極的に食事を囲むなど協調路線をとった。「西武のときにやってたんだよ。星野さんは星野さんの考え方がある。俺は情報をもらうかもしれないし、違う情報流すかもしれないよ」と笑った。

 選手には最後に「チャンスはいくらでもある。チャンスをものにしてくれ」と訴えた。4年連続Bクラスの空気を少しでも変えたいという、意気込みに満ちたキャンプ前夜になった。【柏原誠】