阪神キャンベル快音連発 びびる007警戒警報発令

フリー打撃で豪快なスイングを見せるキャンベル(撮影・加藤哉)

 お披露目から、007をびびらせた! 阪神の新外国人エリック・キャンベル内野手(29=メッツ)が1日、沖縄・宜野座キャンプ初日から入団後初の屋外フリー打撃に取り組んだ。適応能力の高さに、他球団スコアラーも仰天。触れ込み通りのシュアな打撃に、片岡打撃コーチは「マートンに似ている」と優良助っ人を引き合いに出した。

 ベールを脱いだキャンベルの打撃に、他球団007のパトランプが早速、激しく回転した。58スイングで柵越えはバックスクリーンへの1本のみ。それでも、広角に打ち分けるシュアな打撃は、インパクトを与えるに十分だった。

 「自分としては芯で球を捉えることを心掛けた。芯で打たなかった打球もあったけど、初日としてはいい感じだったよ」

 こともなげなキャンベルを最も警戒したのは、昨季のセ・リーグ覇者、広島の玉山健太スコアラーだ。

 「外国人のほとんどが最初は打撃投手とかケージに慣れていないことが多い中で、打球のほとんどがライナー性だったりした。良かったと思うし、適応能力はかなり高いと思います」。来日初年度からの活躍を予期させる、007の警戒警報だ。

 日本で初の「屋外打撃」を見守った片岡打撃コーチは「ステップの感じがマートンに似ている」と、虎が誇る希代のヒットメーカーを引き合いに出し、印象を語った。そのマートンよりも大股に足を開いて、左足を少し上げる。テークバックも小さくとり、ノーステップで打ちだす、むだの少ないフォーム。それでいて強いインパクトでボールを捉えた。さらに日本野球に適応するためか、昨シーズン終了後からバットのグリップ部分の半分ほどをテーピングして打撃練習に取り組んでいる。フォームと一本気な性格が、かつてのヒットメーカーをほうふつとさせる。

 日本でのキャンプ初日を終え、「甲子園からこれだけ離れているのにたくさんの人がいて驚いた。アメリカと違ってアップから元気がある。アップとノックであれだけ楽しめたのは子どもの時以来だよ」と充実の表情を浮かべた。実戦デビューは未定だが「とにかく今は1日1日やるよ」と気を引き締めた。金本監督も期待を寄せる4番候補が、幸先の良いスタートを切った。【梶本長之】

<近年の阪神新外国人キャンプ初日>

 ◆マートン(10年2月1日)雨のため、室内練習場でフリー打撃。打ち終わると入念にバント練習する真面目ぶり。真弓監督は「アップから見ていたが、体の動きはいい。心配することはないと思う」とひと安心。

 ◆コンラッド(13年2月1日)ランチタイム特打で打撃を初披露。右打席29と左打席26の計55スイング、左で2本の柵越え。和田監督は「バットを持つと大きく見える。大きなクセもないし、ボール球を振らなかった」と高く評価。

 ◆ゴメス(14年2月11日)生まれたばかりの長女の入院で来日が遅れ、久々の本格練習。室内で40スイングし、本塁打とみられる豪快な打球が19本。和田監督も「打球音がパワーヒッターだな、と。フットワークもよさそうだね」と頼もしそうだった。