広島、ペーニャ獲得で競争激化 日南三塁争奪戦勃発

三塁でノックを受ける育成選手のメヒア(左)、安部(右手前)、小窪(撮影・清水貴仁)

 競争激化は歓迎なんじゃ! 広島は2日、新外国人ラミロ・ペーニャ内野手(31=ジャイアンツ)の獲得を発表した。日南キャンプではすでに三塁争いがスタート。この日も安部友裕内野手(27)と小窪哲也内野手(31)、アレハンドロ・メヒア内野手(23)が三塁でノックを受けた。連覇と日本一を目指す広島にとって、大きな補強がさらなるチーム内競争を呼ぶ。

 新外国人獲得の一報は、キャンプ地日南にも届いた。緒方監督は新戦力加入によるチーム内競争激化を歓迎した。「優勝する上では外国人選手の力は大きいものがある」とした上で、強調したのは競争だった。

 「外国人も競争。昨年のように投手3人、野手1人と決めたわけじゃない。限られた枠の中でドミニカの練習生も含めて競争。日本人の野手にしても、また競争。厳しい競争の中でポジションをつかんで欲しい」

 目立った補強のなかった野手陣に待望の新戦力だ。ペーニャは昨季、メジャー30試合で打率2割9分9厘、1本塁打、10打点。メジャー通算341試合で打率2割5分2厘、9本塁打、63打点の実績を持つ。昨年11月はメキシコ代表として侍ジャパンと強化試合に臨んだ。これからチームメートとなる野村から本塁打も放った。「スイングが強い。低めのスライダーをライトスタンドに持っていかれた。普通ならファウル」と昨季リーグ2冠右腕も、その力を認めた。

 実績ある外国人選手でも、ポジションを空けて待っているわけではない。来日は早くても2月中旬。チームは沖縄へ移動し、実戦を重ねる時期だ。緒方監督は「うちは細かいプレーもするので、そこもしっかりやってもらう。来日して実戦しながら(調整する)という米国スタイルじゃない。やることをやって、できたら試合に出てもらう」と特別扱いはしない。

 1つしかない三塁を狙う選手にとっては、強力なライバルの出現だ。昨季三塁でチーム最多の58試合に先発出場した安部は決意を新たにした。「かかって来いペーニャ、という気持ちを自分に言い聞かせている。昨季終了した時点で来年はレギュラーを取る気持ちを強くした。やることは変わらない。結果を出してつかみたい」。指揮官が今キャンプで求めたチーム内競争は、新外国人加入でさらに熱を帯び始めた。【前原淳】

 ◆ラミロ・ペーニャ 1985年7月18日生まれのメキシコ人。05年にヤンキース2A入団。09年にメジャーデビュー。昨季はジャイアンツ。メジャー通算341試合で9本塁打、打率2割5分2厘。マイナー通算703試合で20本塁打。打率2割6分9厘。180センチ、91キロ。右投げ両打ち。