セクシー斎藤佑樹、超絶怒濤のキャラ変で開幕候補

練習を終えた日本ハム斎藤は、カートで引き揚げる際に最高の笑顔でカメラマンに手を振る(撮影・菅敏)

 【ピオリア(米アリゾナ州)7日(日本時間8日)=本間翼、木下大輔】イエェェェェ~イ! 日本ハム斎藤佑樹投手(28)が、今キャンプ初めてフリー打撃に登板し、“空前絶後の”、“超絶怒濤(どとう)の”手応えをつかんだ。初球の直球で岡のバットをへし折り、変化球を交えた27球で安打性は2本だけだった。俳優斎藤工(たくみ=35)をきっかけに、投手陣内の愛称は今キャンプから「セクシー」に定着。色気十分に力強い投球を披露した右腕を栗山英樹監督(55)も絶賛した。

 たった1球でグラウンドの空気を自分色に染めた。フリー打撃に登板した斎藤の初球。指にかかったスピンの利いた直球が、岡のバットをへし折った。「気持ち良かったですね。投げ心地はいいです。ここまではいい調整ができています」。27球で安打性の打球は2本。高めに浮いた1球は柵越えを許したが、外野への打球も3本しかなかった。

 バットを折ったフォーシームに加え、今オフ取り組んできたツーシームも手応えをつかんだ。低めはゴロを打たせ、高めは胸元を突くための球種。ここ2年ほどは「自信がなかった」と封印も、早大時代は武器だった。昨季までの決め球フォークと合わせ「的を絞らせないように」と、投球の幅を広げる意図がある。股関節の柔軟性を意識した深く沈み込む新投球フォームで、直球の質も上がっている。栗山監督も「あのままいってくれれば、間違いなく勝つ」と目を細めた。

 

 今キャンプ、斎藤の練習中に、投手陣からは「セクシー!」の声が飛ぶ。同姓の俳優斎藤工がヒントになった、今季の新ニックネーム。斎藤工は二枚目俳優だが、昨年末のテレビ番組「絶対に笑ってはいけない科学博士24時!」に登場。お笑い芸人サンシャイン池崎のネタを全力でこなし、新境地を開いた。佑ちゃん自身は「(自分には)どこにもセクシーなポイントがないのに…」と苦笑いだが、力強さが増した直球と、ツーシーム、フォーク、カットボールのコンビネーションで、二枚目俳優のように殻を破りたいところだ。

 右足首痛の大谷が絶望的な今季の開幕投手争いで、有原、高梨らが有力の中、指揮官は斎藤の可能性も示唆している。初実戦登板は9日(日本時間10日)の紅白戦。「あとは試合で結果を出すだけ。危機感を持って、今季にかけています」。連覇に貢献し、秋には「イエェェェェ~イ!」と喜びを爆発させる。