DeNA須田が中継ぎ番長だ!「三浦レーン」継承

打撃投手を務めるDeNA須田(撮影・足立雅史)

 中継ぎ番長になる! DeNAの7年目右腕、須田幸太投手(30)がキャンプ第3クール初日の11日、フリー打撃に登板した。初の打者相手に直球中心で計41球を投じた。昨季は主に勝ちパターンのリリーフとしてチーム最多の62試合に登板。今季も中継ぎ陣の柱としてフル回転することを誓った。

 強風の中、須田はボールの回転だけを意識した。1人目の打者、倉本に対しては全て実戦を想定したクイックモーション。球種は真ん中を狙った直球のみ。捉えられもしたが、差し込んでファウルも奪った。「抑えようとは思わず、7、8割の力で回転を確認しながら。力みからフォームが崩れるのは嫌だったので、ど真ん中だけでいきました」とうなずいた。

 強い決意を持ってキャンプインした。初日の2月1日。ブルペンに一番乗りすると一番奥のレーンで投球を始めた。昨季限りで引退した三浦大輔氏(43=日刊スポーツ評論家)の指定席。「たまたまです」と笑ったが、覚悟が自然と足を向かわせた。「三浦さんは投手陣の柱だった。自分がそうなりたい、とは言えない。でもリリーフ陣の軸になっていきたい」と力を込めた。

 昨季はチーム最多の62戦に登板。防御率2・68の安定感でクライマックスシリーズ進出に貢献したが「2年、3年と連続して結果を残さなければ、本当の力とは言えない。今年が大事なんです」。25年間チームを支えた先輩の鍛錬の場。同レーンでの投げ込みは、自身で課した「キャンプの決めごと」だった。

 投球にも決めごとがある。投げる前は、常にへその下の丹田に神経を集中する。「骨盤に無駄な動きが出るとリリースポイントが安定しなくなる。マウンドに上がると、まず息を細く長く吐いて丹田を意識する。自分の確認ポイントです」。昨年の5月ごろから取り組み始め、疲労がたまっても崩れにくい、安定したフォームにつながった。

 ケージ裏から投球を見守った三浦氏は「風が強い中でも、ベース上で球がたれている感じはなかった。シーズン通して頑張ってもらわないと」とエールを送った。結果が求められる30歳右腕。「今目指すのは開幕1軍。近いところに目標を置いて、1つ1つクリアしていきたい」。“番長レーン”で努力を重ね、須田がブルペンの柱へ成り上がる。【佐竹実】