巨人岡本レフト獲りへ猛アピール 3安打に美技披露

紅白戦で実松の左飛を好捕する岡本(撮影・たえ見朱実)

 新境地を見せた。巨人岡本和真内野手(20)が宮崎1次キャンプ最終日の12日、紅白戦に「6番左翼」でフル出場。4打数3安打1打点をマークすると、今季から挑戦中の左翼守備でも左中間ライナーをダイビングキャッチする見せ場を作った。8度の守備機会をノーミスで終え、猛烈な外野争いに名乗り。14日からの沖縄2次キャンプにも同行し、開幕まで実戦でアピールを続ける。

 巨人で数少ない空位となっている左翼争いに、岡本が猛烈な勢いで飛び込んできた。5回、左翼岡本の左前方に先頭打者吉川大の放ったライナーが伸びてきた。抜ければ長打。頭から滑り込み、左腕を伸ばして必死につかみ取った。「たまたまです。ギリギリだったので勝手に飛び込んでいました」。同じ回には左翼線への飛球もランニングキャッチに成功。守備機会を無失策で終え「捕れる打球を当たり前に、100%アウトにできるように。今日だけでなく、継続したいです」と振り返った。

 アピール作戦に成功した。打っては右翼線への適時二塁打含む3安打1打点。「打つことが最優先。そのうえで、最低限守れないと試合には出られない」と、厳しいハードルを課して挑んでいた。7回1死二塁の第4打席で凡退し「送りバントをしてもらったのに。あそこをしっかりやらなければ」と自己評価は辛め。それでも、見守った終身名誉監督の長嶋茂雄氏からは「いいバッティング。最後に4本目が出ればいいんだけどね。でも成長してます、完全に」と賛辞を贈られた。

 3年目の今季は「結果」の2文字にこだわり抜く。「やっぱり、選ぶときに最後は数字を見るじゃないですか。どれだけいい当たりを打ってもアウトはアウト。何でもいいから目に見えるものが必要なんです」。初の1軍キャンプスタートだった昨年は、オープン戦18試合で打率1割6分4厘、0本塁打と苦しみ、開幕1軍を逃した。同じ悔しさを味わいたくないと固く心に決めて宮崎へ入った。

 今後の起用について、高橋監督は「(左翼に)どんどん入っていくことになると思う。そうなれば内野、外野の競争に加わる可能性がある」と高評価。若き大砲候補が混戦の左翼手争いに切り込む。【松本岳志】

 ◆巨人の左翼手争い 陽岱鋼は下半身の張りが癒えれば中堅、長野が右翼に入り、左翼だけが空位となる。ギャレットは昨季24本塁打で6月以降は定位置をつかんだが、今季は外国人枠の問題があり、現状では優先順位が低い状況。トレード移籍の石川、2年目の重信に加え、二塁手争いも繰り広げる立岡も左翼経験は少ないが候補に入る。2軍の亀井は実績、実力とも安定感があり、若手が伸び悩めば有力候補に躍り出る。同じく2軍の橋本到も能力はある。