大谷翔平スパイク履いた打った フリー打撃も再開へ

大谷は室内練習場で打撃練習を終え引き揚げる(撮影・井上学)

 右足首痛で別メニュー調整中の日本ハム大谷翔平投手(22)が、18日から始まる次クールにも、フリー打撃を再開する可能性が出てきた。沖縄・名護での2次キャンプ初日の13日も、キャッチボールや屋内での打撃練習など、米アリゾナキャンプと変わらない練習をこなした。患部の状態は安定しており、栗山英樹監督(55)は徐々にペースアップすることを示唆。状態に問題がなければ、開幕へ向けていよいよステップを踏み出す。

 大群を引き連れた。メイン球場から離れたラグビー場で、たったひとりで行ったインターバル走。前日12日に帰国した大谷を見ようと、多くのファンが集まった。「たいした練習は見せられていないので…」。本人は恐縮したが、復帰へ向け、いよいよペースが上がってきそうだ。

 この日も、米アリゾナキャンプ同様、ランニングやキャッチボールなど、別メニュー調整が続いた。屋内で行った打撃練習は初めてスパイクを履いてこなしたが、これもピオリアの練習場と違い、名護は打席の足元が土であるためだった。

 それでも、患部は一定の状態を保っている。栗山監督は「そろそろGO(サイン)を出そうか。今までまったく見えなかったものが、おぼろげながら見えてきた」と、ペースアップを示唆。足首をかばうことによって他の部分に影響が出ることを考慮し、練習内容を抑えてきたが、福島チーフトレーナーは「次のクールで(打撃メニューに)入れることをメドに、やっていけるかな」。18日から始まる次のクールで、フリー打撃を再開する可能性が出てきた。

 打撃練習に復帰すれば、次のステップは全力疾走。大谷は「スパイクを履いてベースランニングができるようになれば、ゲームにも入っていける」。投手として実戦登板までの道のりは長いが、打者に関しては、青写真が描ける段階に入ってきた。

 国内の沖縄・国頭で調整を続けてきた中田、増井、宮西の侍ジャパン組も合流。大谷は「WBCのことについては話してないです。気も使ってもらっていると思う。僕の方から、『頑張ってください』と言いました」。世界一を勝ち取る夢は先輩に託し、連続日本一へ向けて、1歩1歩前進していく。【本間翼】

<大谷の調整過程>

 ◆投手断念 キャンプイン前日の1月31日、右足首痛のためWBCの投手としての出場辞退を表明。米アリゾナでの合同自主トレもウオーキングなど別メニューを消化。

 ◆ティー打撃開始 1日のキャンプ初日は完全別メニューで、ランニング、キャッチボールのほか屋内で、ボールを置いてのティー打撃を行った。バットを振ったのは1月27日以来6日ぶり。

 ◆野手も見送り 2日、WBCの野手出場も見送りが決定。ランニングなどの別メニュー調整で、栗山監督は「開幕にはもともと間に合わないと思っていたから」と、チーム開幕投手も絶望的な見通しを示した。

 ◆メジャー流 6日、ティー打撃ではNPB球の約3倍、450グラムの弾力性のあるボールを使用。パドレスの用具を借りて、右足首の状態をチェックした。

 ◆2週間ぶりスパイク 7日、キャッチボールの際、朝露の影響で滑りやすい芝生を考慮してスパイクを着用。自主トレ期間の1月24日以来、アリゾナキャンプでは初めてだった。

※日付はアリゾナ現地