中日に内紛!朝倉コーチvs大野…ノック受けさせず

朝倉コーチ(手前)が打つ組とは別の組でノックを受ける中日大野(撮影・前岡正明)

 中日大野雄大投手(28)が練習メニューを巡り、朝倉健太投手コーチ(35)と衝突するハプニングがあった。両者の認識の違いが原因で、14日の練習メニュー表は大野の欄だけ「白紙」だった。101球のブルペン投球をするなどこれまで通り精力的に動いたが、その裏側では、開幕投手の筆頭に挙がる左腕が思わぬ事態に陥っていた。

 目を疑うようなシーンだった。ブルペン投球を終えた大野がサブグラウンドへ。朝倉コーチが打つ投手ノックに入ろうとすると、制された。朝倉コーチは「自分で練習するように(なっている)。自主性というのがあるので」と説明した。大野は投手小屋へ戻り、約50分もこもった。途中の数分間、朝倉コーチも小屋に入り、話し合った可能性はある。大野はその後、若手と一緒に近藤投手コーチのノックを受けた。ランニングなど他の投手と変わりない練習をこなした。

 休日だった前日13日に作成され、この日公開されたメニュー表は大野の欄だけが白紙だった。内容は選手の意向を聞いて担当コーチが入力する。空欄だったことに大野は「僕の口からは何も言えません」。朝倉コーチは意思の疎通について「できていると思いますよ」。15日以降は「どうなるか分かりません」としていたが、夜に発表された15日のメニュー表には練習内容が記されていた。

 関係者の話を総合すると、10日に1つの練習メニューを大野は通例に従い免除だと認識し、消化しなかった。だが朝倉コーチはそう受け止めず、直接とがめた。翌11日には罰則メニューを設けたことが、しこりになった。実は大野のメニューは11日も空欄。12日は内容が記載されたが、休日を経てもしこりが残ったまま、この日を迎えたようだ。

 朝倉コーチは大野が入団以来目をかけ、選手時代から時に厳しくあたることもあった。「兄貴分」のような存在。役職は昨年に続いて2軍だが、今キャンプは補助として1軍にいる。個人的にも脱皮を願う大野への思いが、話をこじらせた可能性がある。

 大野は開幕投手の最有力候補。立候補もしている。体は好調で、この日も101球を投げるなどキレのある動きを見せた。森監督は「(欄が)白くなっているからバレるんだよ。黒く塗りつぶしておけば何書いてるか分からんのに。何かあれば相談に来るでしょ。両方とも俺のところに来ていないから、向こうで解決するんじゃないの」と当事者間で解決するよう求めた。【柏原誠】