阪神キャンベル負傷で病院直行 開幕三塁構想に暗雲

紅白戦の4回裏白組2死一塁、大きなスイングで空振りするキャンベル(撮影・清水貴仁)

 阪神新外国人のエリック・キャンベル内野手(29=メッツ)にアクシデントが発生した。27日の沖縄・宜野座キャンプ紅白戦に5番一塁で出場。4回に左腕横山の変化球を空振りした際に左手首を痛めた模様だ。5回からベンチに退き、沖縄県内の病院に直行。検査結果は今日28日にも発表されるが、重傷の場合は開幕オーダーに大きな影響を与えるだけに注目される。

 キャンプの打ち上げ目前に、まさかのアクシデントが発生した。紅白戦の4回だ。キャンベルが左腕横山の2球目、変化球を空振り。この瞬間に左手首に違和感が発生した模様だ。四球を選び、一塁に歩いたが、5回の守備からは姿を見せなかった。トレーナーが高代ヘッドコーチの元に走り、緊急の話し合いが行われた。その後、金本監督に報告された。スコアボードには指名打者に変更されたことが表示されたが、6回の打席は飛ばされた。

 「痛めたみたいだ。病院に行っているみたいだけど…」

 紅白戦の終了後に、金本監督は険しい表情を見せた。キャンベルは沖縄県内の病院に直行。球団関係者は「大事を取って、ということです」と説明。軽傷とみられるが、空振りによる負傷というレアなケースだけに、今後に大きな不安を残した。

 キャンベルはマジメな性格で、来日からハードな練習を重ねてきた。本職の三塁だけでなく、一塁、二塁、左翼の守備練習もこなした。13日の練習試合・DeNA戦には志願で出場。異国の環境に順応しようと、ひたむきだった。この日の打席は右飛と四球に終わったが、安定感のある守備を披露していた。一塁で先発し、4回表からは三塁に就いた。この回には2つの難しいゴロを危なげなく、処理。久慈守備走塁コーチも「いいグラブさばきをしていたのに…」と残念がった。

 左手首の負傷が長期化すれば、開幕オーダーに大きな影響を及ぼす。順当にいけば、キャンベルは三塁での起用が濃厚だった。長打力には欠けるが、広角打法で高打率の打撃が期待されている。チームの構想も修正を強いられるだけに、尾を引かないことを祈るばかりだ。【田口真一郎】

<キャンベルの宜野座キャンプ>

 ◆マートン再来? 初日からミート中心の打撃を披露。柵越えは1本だったが片岡打撃コーチは「マートンに似ている」と評価。

 ◆1発屋に激変 第1クール5日間の柵越えは5本だったが、第2クール初日の7日は13発に大幅増。「体全体が使えてきたよ」とパンチ力も披露して笑顔。

 ◆守備は超マルチ 本職の三塁に加え、ノックでは自ら一塁、二塁に就いて守れるところをアピール。14日は金本監督の要望でレフトも守るなどバッテリー以外はどこでもOKの勢い。

 ◆腹痛でダウン 16日の韓国・サムスン戦に出場予定だったが、ウイルス性腸炎を発症して練習も欠席。18日から別メニュー復帰し、21日から全体練習に合流。「体調が戻ってきたよ」。

 ◆選球眼良い実戦派 デビュー戦の13日DeNA戦は無安打も、22日紅白戦でメッセンジャーから初安打。実戦は10打席で6打数2安打、4四球で出塁率6割。