阪神北條史也内野手(22)の開幕ショートが2月28日、有力な状況になった。沖縄・宜野座での春季キャンプを打ち上げ、金本知憲監督(48)はMVPの1人に北條を挙げて絶賛。遊撃争いについて今後、鳥谷敬内野手(35)が圧倒的な結果を残さない限り、北條の優勢が変わらない状況を明かした。鳥谷の大逆襲も含め、3月のオープン戦がますます注目される。
22歳の若虎が開幕スタメンの座を有力な状況にした。阪神の春季キャンプは打ち上げの日を迎え、金本監督が1カ月の鍛錬を総括。MVPの1人に挙げたのは、北條だった。「今、一番いいスイングをしている。完璧に仕上がっている。あれで打てないはずがない。打てなかったら、気を抜いている証拠だね」。打撃面の成長に関して、賛辞が止まらなかった。
注目された鳥谷との遊撃争いは、まだ本格的に始まっていない。それでも北條の成長力で一気に優勢へと傾いた。指揮官は言う。「トリが7対3で勝っても(起用は)ないぞ、と言っている。数少ない右バッターで打てるようになったでしょ? 使わないわけにはいかない」。
シーズンオフの11月に鳥谷と面談。遊撃で勝負する決意を受け入れたが、「圧倒的な力を見せない限り、若いのを行く」と自らの考えを伝えている。北條は2月25日の日本ハム戦で1試合2本塁打を記録。メンドーサ、井口という1軍レベルの投手から打ったことで、飛距離アップを首脳陣に鮮烈にアピールした。8試合の実戦打率も3割5分7厘と絶好調で2月を終えた。
北條は秋季キャンプから続けてきたトレーニングの成果を実感した。「過ごし方が良かったのかな。体が怠けて、動かなかったということがなかった。期待に応えられるようにやっていきたい」。守備では課題はあるが、それを補って余りある打力がある。
もちろん、遊撃争いは完全に決着したわけではない。金本監督は3月のオープン戦で鳥谷を遊撃起用する考えも明かした。「最初はショートで出るよ。北條よりも素晴らしいモノを見せてくれるかもしれない。守りとか肩とかね」。
鳥谷の大逆襲や故障など不測の事態もあるため、決定事項にはしなかった。しかし北條の「1カ月」が指揮官の心を動かしたのは事実。31日の開幕広島戦の遊撃のスタメンに、その名が刻まれる可能性は極めて高い。【田口真一郎】
<北條の宜野座キャンプ>
◆いざ決戦 金本監督は2日、鳥谷との遊撃争いについて「レベルの高い競争は、チームのためにもいい」と相乗効果を望んだ。
◆岩貞から1発 7日のフリー打撃で岩貞から左中間へ柵越え。それでも「まだ投手はまっすぐだけ。今日みたいなスイングができるようにしたい」と貪欲。
◆進化発揮 初実戦の8日紅白戦で松田の変化球を中前へ。「追い込まれてから打てたので良かったです」。苦手な変化球克服も手応えをつかんでいる。
◆一気に固め打ち 初の対外試合となった13日の練習試合DeNA戦で、二塁打2本を含む3安打。金本監督は「将来中軸を打ってほしい」と大きな期待。
◆神様に並んだ 25日の日本ハム戦で、阪神オープン戦初戦では83年バース以来の2本塁打。「スイング自体も悪くないので継続したい」と自信を深めた。