日本ハム開幕候補有原どうした 自己最悪1回7安打

日本ハム対中日 1回に4失点し渋い表情の有原航平(撮影・黒川智章)

<オープン戦:日本ハム1-5中日>◇2日◇札幌ドーム

 日本ハム有原航平投手(24)が、思わぬ自己ワーストを喫した。中日とのオープン戦(札幌ドーム)に先発し、初回に3番ゲレーロの先制3ランなど4連打、さらに3連打を浴び、自己ワーストとなる1イニング被安打7、4失点と打ち込まれた。開幕投手の有力候補に挙げられ、2月の春季キャンプから実戦3試合で無失点と好投していたが、この日はアピール投とはならなかった。

 開幕投手候補の右腕が、立ち上がりに苦しんだ。有原が今季実戦4試合目で、初めて失点した。それまで3試合通算6イニング無失点で迎えた本拠地マウンド。1回、2連打を浴びて無死一、三塁とピンチを背負い、3番ゲレーロへ投じたフォークが高く浮いた。左翼ポール際に運ばれる3ランを浴びた。「もっと低めにワンバウンドくらいで投げれば良かった」。3イニングで71球を投げた。汗は噴き出て、悔しさは押し殺した。

 有原にとって、初めて味わう悔しい経験だった。初回だけで1発を含む4連打、さらに3連打で7安打を集中された。昨季までの1イニング最多被安打数は、昨年3月の阪神とのオープン戦(甲子園)での6安打だった。自己ワーストを更新。反省点は「今から考える」と、すぐには気持ちの切り替えができなかった。そんな姿に栗山監督は「いい方向に変えてくれるように。打たれた時にどう心の中の怒りをプラスに変えていけるか」と課題を挙げ、奮起を促した。

 昨年11勝を挙げ、3年目の今季、さらにレベルアップを期す。精度を上げている武器が効果的に決まる場面もあった。回を重ねると自分らしさを取り戻し、3回1死走者なし。空振り三振を奪った6番堂上へ織り交ぜたカーブは、見逃し、ファウルでストライクを取った。「そこそこ思ったところに投げられた」と、振り返ったが「けど、収穫ではない」と厳しく言った。

 自身初の開幕マウンドへ、意欲を見せる。「そこは変わらずアピールしていかなくてはいけない」と、攻めの姿勢を貫く。「こういう投球はもったいない。次はもっといい投球をしたい」。開幕まであと1カ月を切った。チャンスは狙い続ける。【保坂果那】

 ▼日本ハム有原の1イニング被安打 2日の中日とのオープン戦(札幌)で初回に自己ワーストの7安打4失点。公式戦、日本シリーズ、CS、オープン戦を含めて、有原のこれまでの1イニング最多被安打は6。16年3月13日阪神とのオープン戦(甲子園)で先発し6回の1イニングで6安打、4失点した。当時は先発し5回まで1安打に抑えていたが6回に2死から5安打を浴びるなど崩れた。