<オープン戦:阪神1-1ロッテ>◇9日◇甲子園
トイプードルが開幕ローテーションに猛ダッシュした。先発枠入りを狙う阪神青柳晃洋投手(23)が9日ロッテ戦に先発。4回を無安打無失点、49球でまとめた。昨季苦手とした左打者を封じ、1秒を切る超クイック投法もさく裂。かねて高評価する金本監督はローテーション入りの期待とともに、「トイプードル」という愛称を披露。優しい目で好かれる人柄の技巧派右腕が、狙った獲物にガブリとかみつく。
ぐっと冷え込んだ昼間の甲子園で、マウンドだけが燃えているようだった。4回まで得点欄と安打欄に0を輝かせた青柳は「ゾーンで勝負できたのが一番ですね」。4回1死で角中に四球を許してから、ギアが上がった。4番パラデスに外角の136キロ真っすぐで投ゴロ、5番鈴木をツーシームで一ゴロに打ち取った。昨季、相性が悪かった左打者が並んでも、一切苦にしなかった。
四球が多いことから、球数がどうしても多くなる傾向にあるが、この日は12アウトのうちゴロアウトが8個。4回を49球でまとめた。工夫を凝らした投球もあった。キャンプで磨きをかけた1秒を切る超高速クイック投法を、ファウルで粘る打者に対しては走者のいない場面でも繰り出した。
金本監督の期待も日増しに高まる。「今日の投球を見ると、ローテーションに入れたくなってくる」と再確認した。キャンプ終盤に下半身の張りなどで足踏みした「出遅れ」を、完全に挽回した。
マウンドを降りれば人当たりが良く、チームメートの誰からもかわいがられる。優しい目もトレードマークで、今成が命名したという説もある「トイプードル」という愛称がじわじわと浸透。試合後に青柳のことを問われた金本監督はつい「トイプードル?」と聞き返した。
ニックネームは愛くるしいが、強いハートは「狂犬」ばりだ。開幕ローテーション争いは5、6番手が未確定。ライバルの岩田や秋山も好投を続けるだけに、ここでしっぽを巻くわけにはいかない。「争っているぞと、監督がいう選手がみんな結果を出している。気にしないと言ったらうそになるけど、それを踏まえて自分の投球をしていきたい」。左打者を克服し、球数減にも成功。開幕バトルの先頭を突っ走る。【山川智之】