阪神糸井スライディング解禁 虎初陣へ出場準備完了

三塁へ豪快に滑り込み、実戦への準備が整った糸井(撮影・上田博志)

 お待たせ100%! 右膝関節炎から復活を期す阪神糸井嘉男外野手(35)が10日、実戦出場の最終関門突破となるスライディング練習を解禁した。右膝も良好で「100(%)でやっても違和感がない。(試合は)いつでも入れる状態」と準備OKを宣言。14日、昨年まで在籍したオリックス戦(京セラドーム大阪)のDHでタテジマ初打席に立つ可能性が出てきた。

 晴れ渡った甲子園に黒土が舞った。タテジマのユニホームを着た糸井が豪快なスライディングを初披露した。投手のバント練習で走者役を務めると、一塁から二塁へスタート。徐々にスピードを上げ、ちゅうちょすることなく右足から二塁ベースに滑り込んだ。

 長い足がさらに長く見えるクラシックスタイルで、一塁から二塁へ2本、二塁から三塁へ2本。昨季パ・リーグ盗塁王の韋駄天(いだてん)が、ズボンを真っ黒に汚した。練習後、糸井の口から飛び出したのは全快宣言だ。

 糸井 スライディングも入れていけたし、100(%)でやっても違和感出ないと思います。順調です。

 準備が整った。そんな晴れやかな表情だ。確かにキャンプ中から「全力で走って(こそ)100%だと思います」と公言してきた。フリー打撃や守備練習を開始してもスタンスは変わらなかった。キャンプ最終日も「80パー(%)くらいまでは戻ってきている」と話したが、ついに「100%」に到達した。

 この日のフリー打撃では52スイング中、3連発を含む柵越え10本。うち1本は逆方向の左中間最深部に突き刺すなど、相変わらずのパワーを見せつけた。試合で守備に就くには、シートノックなどハードルが残っているが、打撃と走塁部門ではチェック項目をほぼクリア。指名打者として試合に出場する準備は整った。

 糸井 僕の中では(試合に)いつでも入れる状態にきていると思う。

 今日11日以降の状態にもよるが、早ければ14日、昨年まで在籍したオリックス戦で阪神初打席に立つ可能性が出てきた。金本監督も「トレーナーはなんて言うのかな。DHとかでもいいんじゃないかな」と実戦出場にGOサイン。虎の糸井デビューが近づいている。【桝井聡】

<糸井復活の道のり>

 ◆右膝負傷 自主トレで右膝に違和感を覚え、1月24日、大阪市内の病院で「右膝関節炎」と診断された。キャンプ別メニューが決定した。

 ◆超別メニュー 2月1日の宜野座キャンプ初日は、球場滞在30分で「行ってきま~す!」とプールトレへ。球場に戻り、ほぼ座った状態でトス打撃130スイングをこなした。

 ◆フリー開始 2月17日に屋外でフリー打撃を開始し、140メートル弾など柵越え6本を披露。「気持ちよかった!」。

 ◆直撃もなんの 2月21日、メイン球場で外野をランニング中に、福留の打球が右腕を直撃。一時は騒然となったが「収穫や! 硬球は硬くて痛い!」と爆笑させた。

 ◆ノック開始 今月7日からセンターの位置で外野ノックを捕球。4日連続となった10日は福留、高山と並んでノックを受けた。