阪神開幕はメッセンジャー 監督「お前しかおらん」

先発し好投するメッセンジャー(撮影・河南真一)

<オープン戦:オリックス0-2阪神>◇24日◇京セラドーム大阪

 阪神ランディ・メッセンジャー投手(35)が完璧ピッチで、広島斬りの予行演習を完了した。先発したオリックス戦で、三塁を踏ませず7回2安打無失点。金本知憲監督(48)は初めて開幕投手メッセンジャーを明言し、「全盛期の投球」と絶大な信頼を寄せた。31日のプロ野球開幕まで1週間。ジョンソンとの投げ合いを制し、2年目金本阪神の白星発進を導く勢いだ。

 どれだけアラを探しても見つからない。それほどまでに、メッセンジャーは完璧だった。7回を投げ2安打無失点。三塁を踏ませぬピッチング。よほどの手応えがあったのか、マウンドからうなずきながらベンチへと戻る。最高の形で、開幕前最後の登板を締めた。

 メッセンジャー 前回の投球を反省して、失投を少なく低めに投げることを意識してやった。全部の球種で投げたい高さやコースに投げ分けられたし、全部の球種で三振を取れたことも良かったよ。

 150キロに迫る直球に3種類のスライダー、カーブ、フォークを織り交ぜて相手打線を翻弄(ほんろう)した。6回3失点だった17日の中日戦から完全修正。助っ人右腕の快投に、指揮官も過去最大級の賛辞だ。

 金本監督 去年から一番良かった気がする。メッセ独特の上からボールをたたきつけて、出どころが高くて、角度のあるボールを投げていた。スピードもあったし。あれは打ちにくいと思うよ。全盛期というか、一番いい時のメッセの球の出どころだったんじゃないか。

 これまで内定していながら、公表していなかったメッセンジャーの開幕投手についても「100%、メッセですよ。伝えていますよ。『お前しかおらんから、信頼しているぞ』と」と初めて明言。助っ人右腕も「沖縄キャンプの最終日、チームで一本締めをした直後に呼ばれた。『開幕を頼むぞ、任せたぞ。自分の仕事をしっかりしてくれ』と言われたよ」と、舞台裏を明かして気合十分だ。

 3年連続4度目となる開幕投手。その予行練習で100点満点の回答をみせた背番号54。不安は1つもない。「これでしっかりカープ戦に準備するという気持ちを持っていける。今日は梅野くんといいリズムで投げられたので良かったですし、2人でカープ戦に備えたいね」。見据えるは31日、昨季のリーグ王者広島戦。猛虎が「挑む」今シーズンは、この男の快投で幕を開けそうだ。【梶本長之】