辻監督1勝「うまく回りすぎた」つなぎの5番栗山◎

菊池(右)からウイニングボールを受け取り握手をかわす辻監督(撮影・江口和貴)

<日本ハム1-8西武>◇3月31日◇札幌ドーム

 西武が辻発彦監督(58)の初陣を、王者日本ハム相手の快勝で飾った。主将に任命した浅村、新機軸として5番に入れた栗山がともに猛打賞の大活躍。「新風トリオ」と名付けて抜てきした木村文、ルーキー源田ら新戦力も守備でチームをもり立てた。岸が抜けた投手陣の柱に指名した開幕投手菊池も、本調子でないながらも7回1失点で札幌での5年ぶり勝利。3年連続Bクラスの名門立て直しを目指すシーズンを、最高の形でスタートさせた。

 試合の行方を決める場面で、辻監督が待ち望む「新しい風」が吹いた。3回裏2死一塁。木村文は日本ハム大谷の右翼線二塁打を追い、フェンス際まで俊足を飛ばした。クッションボールを拾い、反転しざま強肩一閃(いっせん)。中継の浅村にレーザービームでつなぎ本塁で西川を刺した。

 1点を防いだだけではない。大谷が打って、俊足西川が生還する。日本ハムにとって理想の得点を許せば、試合の流れは一気に相手に傾くところだった。木村文を開幕先発に抜てきした辻監督は「たいしたもんだよ。中継の浅村もよくつないでくれたし、あれは大きかった」と破顔した。

 3年連続Bクラスの名門を立て直すべく、21年ぶりに古巣のユニホームに袖を通した。昨季12球団ワーストの年間101失策の守備を立て直す。そして淡泊な攻撃につながりを生む。キャンプからの取り組みに加え、開幕の布陣にも「辻イズム」を反映させた。

 つなぎを重視し中村、メヒアの5番に出塁率の高い栗山を入れた。すると3安打1打点2得点と、ことごとく得点につながる活躍をみせた。主将に抜てきした浅村は1本塁打を含む4安打に、再三の好守で菊池をもり立てた。球団36年ぶりルーキー開幕先発の源田は、4回に中田の三遊間の安打性の当たりを横っ跳びで好捕。素早い送球でアウトにし、期待に応えた。

 辻監督は会心の勝利に「すべてがうまく回りすぎた」と苦笑いした。幸運もあったが、多くは準備のたまもの。選手たちにはキャッチボール、ベースランニングなど細部からプレーを見つめ直させた。栗山、中村らにも「まだベテランじゃない。走って開幕に向けて仕上げてくれ」と要望。中村は4キロ減の締まった体で、2回には木村文の遊ゴロで好スタートを切り、先制のホームを陥れた。まだ1勝。しかし辻改革のスタートとして、内容も含めて大きな1勝となった。【塩畑大輔】