<広島9-1阪神>◇2日◇マツダスタジアム
超人糸井にアクシデントが発生した。FA加入した阪神糸井嘉男外野手(35)が広島戦(マツダスタジアム)の5回に右肘上に死球を受け、6回守備から交代した。3回に「虎1号」のソロアーチを右翼席にたたき込んだばかり。ホームでお披露目となる明日4日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)の出場が心配される。チームも開幕カードに負け越し、踏んだり蹴ったりだ。
糸井が顔をしかめてうずくまった。5回1死二塁。1ストライクから九里の139キロ直球が打席の背番号7を襲った。体をくの字に曲げて避けようとしたが、ボールはユニホームの腹部をかすめて、プロテクターを装着していない右肘上に激突。球場が騒然となるなか、ベンチに下がって手当てを受けた。
数分後に一塁ベースに力強く走っていった。だが一塁手新井に話しかけられた糸井の口元は、「痛い…」とつぶやいているように見えた。塁上では何度も腕を伸ばして患部を気にするそぶりを見せた。その裏の守備には何事もなかったかのように就いたが、患部の腫れがひどくなり6回守備から交代した。
記念すべき「虎1号」で広島の虎党を沸かせたのも糸井だった。3回には2死走者なしの場面で外角のツーシームを強振。ライナー性の打球を右翼席に突き刺した。「弾道が低かったので『どうかな?』と思った。入ってくれてよかった」。試合は一方的な展開になってしまったが、移籍14打席目のメモリアル弾で唯一の見せ場を作った。開幕から3試合連続打点と期待通りの活躍だ。
心配されるのはホーム開幕となる明日4日のヤクルト戦(京セラドーム大阪)の出場だ。金本監督は「腫れ具合でしょう。骨に異常はないみたいだけど」と説明した。この日は病院に行くことはなく、キャンプから糸井を支えてきた本屋敷トレーナーも「痛みと張りはあるけど、それがなくなればそんなに大きな問題じゃない」という見方を示した。
スーツ姿で広島駅に現れた糸井は「わからん」とだけ話して新幹線に乗り込んだ。ただ、その表情は明るかった。ファンにもみくちゃにされながらも、野球少年を見つけると痛めた右手でサインした。重傷ではなさそうだが、大事をとって欠場する可能性もある。京セラドーム大阪に元気な姿を見せるのか、注目の1日になりそうだ。【桝井聡】