楽天4連勝で貯金9、辛島6回0封で初完封リレー

西武対楽天 先発し、6回を無失点で2勝目を挙げた楽天辛島(撮影・浅見桂子)

<西武0-2楽天>◇18日◇大宮公園

 楽天が今季初の無失点リレーで、4月4日以来2度目の4連勝を飾った。6回3安打8奪三振無失点の辛島航投手(26)を筆頭に、4投手が安定した投球で西武打線に三塁を踏ませなかった。3、4月の勝ち越しが早くも決まり、今日19日にも貯金を2ケタに乗せる。

 大宮公園を心地よく吹き抜ける風が、辛島の心に余裕を持たせた。「レフト方向から吹いていたので、少々打たれても大丈夫かな」。右の強打者が並ぶ西武のラインアップ。だが打者が引っ張っても打球は風で戻される。1発を浴びる可能性は低くなる。左腕を思いきって振れた。

 好調ぶりは立ち上がりで明らかだった。初回1番秋山を内角で見逃し三振。続く源田と浅村は外角の変化球を泳がせた。6回まで、この3者連続を含む8個の三振を奪った。スピードガンの表示は130キロ台半ばながら、のらりくらりと抑えてみせた。これには梨田監督も「嶋の配球もよくて、すごくシマった試合になったね」。ダジャレもキレた。

 辛島の前回登板は開幕2戦目の4月1日。自他共に認める「雨男」は11日の西武戦(福島・郡山)が悪天候中止となり、登板間隔が中16日もあいた。だが「試合に投げるのと同じくらい投げてきたので、いつも通りです」とケロリ。調整の難しさをみじんも感じさせなかった。

 好投にルーキーも続いた。登板10試合目となるドラフト5位森原は、浅村、中村、メヒアの中軸を3人切り。森原は「見えない疲労もあると思う。真っすぐの威力はいつもよりなかった」と言いながら自身の無失点記録を継続し、ハーマン、松井裕へと今季初の完封リレー。「入りたかった」という勝利の方程式の一角を立派に担っている。早くも今季2度目の4連勝で貯金9とし、18日にして4月の勝ち越しが決まった。梨田監督は「手応えは多少、感じてるんだけどね」とご満悦。楽天が、強い。【鎌田良美】

 ▼楽天が10安打を放って4連勝。これで4月8日ロッテ戦からのチーム安打数が、10→12→11→13→10→11→10と7試合連続で2桁安打を記録。09年の4月29日~5月5日にマークした7試合連続の球団記録に並んだ。昨年の2桁安打の試合数はリーグで2番目に少ない48だったが、今季は13試合中9試合で、リーグ最多となっている。なお連続試合2桁安打の日本記録は50年松竹の15試合で、パ・リーグ記録は79年阪急、92年日本ハムの10試合。