おとといもきのうも京田!中日新人が誕生日V打

7回裏中日2死満塁、2点適時打となる右前打を放ち一塁へ走る京田と盛り上がる中日ベンチ(撮影・清水貴仁)

<中日5-2阪神>◇20日◇ナゴヤドーム

 ハッピーバースデーだ。中日ドラフト2位京田陽太内野手(23)が、決勝打で自らの誕生日を祝った。1-1の7回2死満塁。一、二塁間を抜ける勝ち越し2点適時打。前日19日はサヨナラ失策を誘ったルーキーが2日連続で試合を決めた。チームは今季初の連勝に、初のカード勝ち越し。さらには最下位を脱出した。

 自らの手で誕生日を祝った。1-1の7回2死満塁、1番京田が打った。カウント0-1からの2球目、阪神桑原の内角高め146キロ直球を一、二塁間へ。勝ち越しの2点適時打。ナゴヤドームに割れるような大歓声を巻き起こした。

 「先輩がつないでくれた。自分もつないでいこうと思った。監督さんが使ってくれている。期待に応えられるように頑張っていきたい」

 持っている男かもしれない。前日19日は同点の9回2死二、三塁で放った三ゴロが敵失を誘いサヨナラ勝利を演出。前祝いにも「たまたまですよ」と謙遜。「チームに貢献して勝っていい誕生日にしたいですね」と予告通り、2日連続、3度目のお立ち台に上がった。

 アマチュア時代から守備と走塁の高評価に反して、打撃が一番の課題だった。「打撃は通用しないかと思っていた」と自己評価する。1軍で生き残るためには打撃向上は必須科目。キャンプから長嶋外野守備走塁コーチとの居残り打撃練習を欠かさず、時間をかけ、汗を流した。

 シーズンが開幕しても、試合後は必ずバットを持った。その日の打席の映像をチェック。「どうしても左肩が迎えにいってしまう。いつも左肩がキーポイントです」と体に染み込ませるように、振り込んだ。ナゴヤドームの選手ロッカー室から出るのはいつも最後。その成果か、打撃フォームに間ができ、自然とプロの球に対応できるようになっていった。疲れよりも充実感が上回り、笑顔も多くなった。

 誕生日に活躍できる強運と、課題を地道に克服できる努力を持ち合わせる。ニューヒーローがリードオフマンとして、チームを連勝に導いた。最下位を脱出したチームをこれからもスピード感たっぷりに、引っ張る。【宮崎えり子】

 ◆京田陽太(きょうだ・ようた)1994年(平6)4月20日生まれ、石川・能美市出身。青森山田では1年春から遊撃でレギュラー。日大では3年秋にベストナインを獲得し、大学日本代表にも選ばれた。16年ドラフト2位で中日に入団し、今年の開幕戦は「7番・遊撃」でスタメン出場。今季年俸は1200万円(推定)。182センチ、80キロ。右投げ左打ち。