オリックス4発4連勝12球団トップ17発強力打線

3回表オリックス無死、武田はプロ初本塁打となる右越えソロ本塁打を放ち、笑顔でハイタッチ(撮影・松本俊)

<日本ハム4-8オリックス>◇20日◇東京ドーム

 オリックスがチーム4本塁打の猛攻を見せた。武田健吾外野手(23)のプロ初本塁打に始まり、宮崎祐樹外野手(30)が勝ち越し、中押しの1試合2発。最後はT-岡田が楽天ペゲーロを1本差で追いかける5号2ランで締めた。1試合4発は15年5月21日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来で、チーム通算17本塁打は12球団トップ。対日本ハムの開幕からの連勝を72年以来の5に伸ばし、貯金は今季最多の5。首位を走る楽天に1・5差に迫ってきた。

 ニューヒーローがオリックスに誕生した。武田、そして宮崎。糸井は阪神にFA移籍し、中軸候補の吉田正は腰痛で離脱中。この2人がいれば控えに回る可能性が高かった伏兵たちが打った。先発全員安打。もう12球団一の強力打線と言っても過言ではない。

 1点を追った3回。今季初スタメンに起用された武田が、右翼スタンドぎりぎりに放り込んだ同点弾は、プロ5年目の初アーチ。春季キャンプ中の実戦でエンドランのサインに応えられず、昼食抜きで室内にこもり、延々と右打ちの練習に取り組んだ。「効果が出ていると思います。いい打ち方ができました」と23歳は光を見つけた春季キャンプを思い起こす。

 プロ5年目の新星に続いたのは、プロ7年目の苦労人、宮崎だ。3回1死で勝ち越し1号。7回1死で中押し2号の離れ業を演じた。「次の得点がどちらに入るかで試合の流れが大きく変わると思っていたので」と喜んだ。

 2本目のアーチを打つ前、ベンチで金子に球審のストライクゾーンの傾向を聞いていた。地道な努力を怠らないのも、1打席1試合に勝負をかけるから。努力が結果で実らず、近年はオフが来るたびに戦力外を覚悟した。親身になって手を差し伸べる知人もいた。それでも「もっとプロでやりつくしたい」の一念で、今季の1軍をつかんだ。

 8回はT-岡田がダメ押し弾。「今のぼくらは全員で1人の投手を攻略にかかっている。ゴリさん(宮崎)が打つ前も(伊藤)光が粘って塁に出てくれましたから」と選手会長は全員の努力を強調。90年にリーグトップの186本塁打を残したのはブルーサンダー打線だった。流れをくむバファローズが、リーグ最強の破壊力を示した。【堀まどか】