オリックス球団初開幕ビジター7連勝 鬼オーナー◎

6回表オリックス無死、右越え本塁打を放ち先発の西(右)とタッチして喜ぶT-岡田(撮影・足立雅史)

<ロッテ3-4オリックス>◇22日◇ZOZOマリン

 オリックスが球団新記録を打ち立てた。宮内義彦オーナー(81)が見守る前で、T-岡田外野手(29)が6号同点弾、小谷野栄一内野手(36)が勝ち越し打を放ち、ロッテに逆転勝ち。5連勝と、球団初の開幕ビジター7連勝を飾った。

 オニの福良監督より怖い? 宮内オーナーを、今季2度目の観戦で、ついに、やっと笑わせた。3試合連続、通算5度目の逆転勝ち。さすがのオニのオーナーも「チームが整ってきたのかな」と成長を認めた。

 1点を追った6回。選手会長のT-岡田が劣勢をはね返した。ロッテ先発・涌井の100球目のスライダーを右翼スタンドに打ち込み「しっかりといい反応ができました」と喜んだ。

 選手会長就任後、初めて迎えた春季宮崎キャンプ。2月12日に宮崎を訪れた宮内オーナーに、なんとチーム全員で「クレイジーなキャンプをやらんといかん。目の色を変えて!」とグラウンドで公開説教された。前日11日夜のバーベキューでも「勝て、勝て、とにかく勝て!」と勝利への執念を持つよう迫られた。

 「オーナーが言われたことを見返す気持ちでやりたい」とモチベーションを高めたT-岡田。黒星の開幕戦は守備の乱れでまた叱られた。怒られっぱなしでは終われなかった。「たまたまかもしれませんが」と苦笑も、反骨の同点弾。オーナーも「So Far So Good(今のところ順調)」と照れ隠し? の英語でねぎらった。

 7回には小谷野が今季3度目の猛打賞で、決勝点をたたき出した。8回の守備でフェンスに激突し、左膝を負傷したロメロに代わり、きょう23日ロッテ戦は4番を託される可能性が高い。「本当に(小谷野)栄一さんが引っ張ってくださる」(T-岡田)。ベテランが働き、中堅、若手が追いかける。充実の春をオリックスが謳歌(おうか)している。【堀まどか】

 ▼オリックスが早くも今季2度目の5連勝。今季の5敗はすべて京セラドームで、敵地では7勝0敗。開幕からビジター7連勝は12年ロッテ以来となり、オリックスでは67、89年の6連勝を上回り52年のフランチャイズ制以降の球団新記録だ。オリックスが開幕から20試合以内に5連勝以上を2度記録するのは72年以来2度目だが72年は1~6試合目に6連勝、13~18試合目に6連勝。開幕から16試合以内に2度の5連勝は初めて。