楽天松井裕3者3球三振締め 球団史上最速貯金10

9回表ロッテ2死、最後の打者鈴木を空振り三振に仕留め、ほえる松井裕(撮影・狩俣裕三)

<楽天4-2ロッテ>◇25日◇東京ドーム

 首位楽天が、「楽天スーパーナイター」と銘打った、年に1度の東京ドームでの主催ゲームで快勝した。先制、中押し、ダメ押しと効率的に攻撃し、日本一に輝いた13年以来となる貯金10に、球団史上最速で到達した。三木谷浩史オーナー(52)ら多数の楽天グループ社員が応援に駆けつけ、主催試合では球団史上最多となる4万5211人を集めた。貯金だけでなく、盛り上がりも優勝イヤーをほうふつさせる。

 ド派手な締めくくりが、球団史上最多観衆を盛り上げた。9回に登場したクローザーの松井裕が、パ・リーグでパ6人目の3者連続3球三振。最終回ではリーグ初の快挙に「追い込んだら三振は狙う。甘くならないようにと思った。すごい大きな声が後押しになりました」。WBC以来の東京ドーム。「ホームで、それは思いました」。応援する雰囲気が、思わず国際大会の緊張感を呼び起こした。

 松井裕に余裕を与えたのが嶋だ。1点差に迫られた8回、ダメ押しの2号ソロ。お立ち台で「ウチの松井は何をやらかすか分からないから1点でも多い方がいいかなと思った」と、場内の爆笑を誘った。さらに「東京ドームで4万5000人は日本シリーズ以来。非常に力になります」と続け、優勝した13年を思い出した。「あの時はAJとマギーがいて、今年は茂木とペゲーロ」。軸になる強打者がいるチームは強い。

 打線は上位、下位ともに今季の特色が存分に出た。1回は2~4番の外国人トリオが、ペゲーロのフェンス直撃二塁打から、ウィーラー左安、アマダー中犠飛とパワーで先制点をもぎ取った。2回は6~9番の日本人が、技でもぎ取った。今江の流し打ちから、島内のたたきつけ安打、岡島のバスターで好機を拡大し、嶋の左犠飛でフィニッシュ。硬軟自在の攻撃が、しぶとい打線を形成している。

 これで球団史上最速の貯金10。梨田監督は「あまり貯金は関係ないよ。明日のことだけ」と平然としていた。それよりも、楽天グループの社員や取引先を呼んだ大観衆が「手応えよりプレッシャーでね。でも勝てて良かった」と胸をなで下ろした。試合後のベンチ裏には小島よしお、サンドウィッチマン、あばれる君ら芸能人がズラリと祝福に訪れた。東京開催らしい華やかな雰囲気。独走態勢に向け、お祭りムードは最高潮になった。【斎藤直樹】

 ▼松井裕が9回に細谷、ダフィー、鈴木と3者連続で3球三振。1イニング3者連続3球三振は、14年9月10日武藤(中日)以来でプロ野球17人、18度目。パ・リーグでは6人、7度目で楽天では初。なお3~5番のクリーンアップ相手に記録したのは史上初めて。

 ▼楽天が3連勝で、貯金を今季最多の10とした。楽天の2桁貯金は09年、13年に続いて3度目で、両リーグ最速で2桁貯金を記録したのは球団史上初めて。楽天は開幕18試合目で貯金10としたが、18試合以下で2桁貯金としたのは13年巨人(16試合)以来。パ・リーグでは89年オリックス(14試合)以来で28年ぶり。