オリックスT岡田V弾!父秀和さんが好調裏側明かす

1回裏2死満塁、モレルの2点適時打で生還した二塁走者T-岡田はナインに迎えられ笑顔をみせる(撮影・渦原淳)

<オリックス5-4西武>◇25日◇ほっともっと神戸

 オリックスT-岡田外野手(29)が、主砲不在のチームを勝利に導いた。2位で並んでいた西武戦で、リーグトップタイの7号決勝ソロを含む3安打3打点の大暴れ。不動の4番だったロメロが左膝大腿(だいたい)骨の骨挫傷で4~5週間の故障離脱となり、今季からの選手会長が奮起した。連敗を阻止し、首位楽天を2差で追走。再び加速する。

 T-岡田は本塁打を確信してバットを突き上げた。4点を追いつかれた直後の5回だ。1死走者なしで、多和田の141キロ直球を完璧に捉えた。推定130メートルの勝ち越しアーチがバックスクリーン右で弾む。リーグトップタイの7号で楽天ペゲーロに並んだ。3安打3打点に照れ笑いだ。

 「こんな日もあっていいんじゃないかと思う。力まずに、体の動きの中でしっかりと振れている」。ここ8戦5発の量産。18試合で7本塁打は、シーズン換算すると背番号と同じ55本ペースだ。1回は2死一、二塁で先制打。3回は左中間へ適時二塁打を放った。三塁打が出ればサイクル安打という活躍。福良監督も「本当にいいところで打ってくれた」と目を細めた。

 4番を務めてきたロメロが左膝を痛めて離脱。T-岡田は言う。「大きい穴と思うが、みんなでしっかり今までのようにつないでつないでやっていく。いいチーム状態のままなら、彼も戻りやすい。帰ってくるまで全員で勝ちにこだわっていきたい」。選手会長らしい責任感がにじんだ。

 観戦した父秀和さん(64)も、たくましさが戻った息子に目を細めた。「体重は変わってないというが、やせて顔が細く見える。そのぶん動きはいい」。今年の元日は実家に戻ってきたが、すぐにトレーニングに行ったという。「今までなかった行動。オフもずっと練習してましたからね」と変身ぶりに驚く。10年の本塁打王が再び輝き始めた。

 打率、本塁打、打点でチームの現3冠王。4番には「そこはあまり…」と興味を示さないが、チームの好調ぶりには手ごたえを感じている。「みんな声も出てるし、チャンスで打てなくても攻守の切り替えができている」。貯金を最多タイの6に戻した。3、4月の3年ぶり勝ち越しも決定。試合後に深夜までトレーニングした自覚たっぷりの選手会長が引っ張り、勢いを持続させる。【大池和幸】