オリックス53年ぶり4月4勝2人 金子開幕4連勝

ファンの声援にこたえる金子(右)と宮崎(撮影・渦原淳)

<オリックス4-3西武>◇26日◇京セラドーム大阪

 オリックス金子千尋投手(33)がリーグトップタイの4勝目をマークし、今季最多の貯金7を導いた。1年ぶりの2戦連続中5日登板も、3失点しながら今季最多119球で2度目の完投。開幕4連勝は11年以来の自己最長タイだ。通算39完投は現役では単独4位に浮上。開幕戦こそ勝ち負けがつかなかったが、4月は4戦4勝でチームの開幕ダッシュの中心となった。

 1発浴びれば逆転という緊迫の場面でも、金子は冷静だった。9回1死一塁。中村に低めフォークを打たせて三ゴロ併殺打。ナインとタッチしながら、笑顔の花が咲いた。「4点取ってくれたのに、すぐに3点返されて申し訳ない気持ちと自分へのいら立ちもあった。切り替えて投げた」。

 6回に3失点してギアが1段階上がった。7、8回と3者凡退。この時点で111球を投げていた。今回は2試合連続の中5日登板。エースをカード初戦に配置するチーム戦略で、次回も中5日の可能性が高い。降板してもいい状況で9回も志願して続投した。

 「まだシーズン始まったばかり。そこまで疲れは感じない」と頼もしい。この続投が平野に貴重な休息を与えた。抑え右腕は前日25日の試合で打球を右足首に当てていた。この日も少し腫れがあった。「すごいですね。エースの投球をしてくれた。自分も助かりました」と感謝された。

 お立ち台は決勝打の宮崎と上がった。公私とも仲がいい後輩を「ちょっと打ってくれると思った」といじって観客を笑わせた。時には2人で焼き肉などを食べに行く。食事の席では投手目線でアドバイスを送ることもある。宮崎は「千尋さんは『ピッチャーはこうして投げてるよ』とか『打者に自分のスイングをされたら嫌』とか言ってくれる」と明かす。マウンド以外でも好影響を与えている。

 チームは西武相手に3年ぶりの開幕4連勝。福良監督も「今日は金子に尽きる。さすがエース」とうなった。14日ソフトバンク戦に続く完投。4月の2完投は沢村賞を受賞した14年以来だ。金子は「中5日が続いても状態は悪くない。次も行く準備をします」と意欲的だった。【大池和幸】

 ▼オリックス金子が通算39度目の完投。並んでいたソフトバンク和田を抜いて単独4位となった。現役最多はソフトバンク松坂の72度。歴代最多は金田正一の365度。

 ▼オリックス金子が開幕から無傷の4勝目。開幕4連勝は11年に並ぶ自己最長となった。ハーラートップの同僚ディクソンに並び、オリックスの投手2人が4月までに4勝以上は64年の石井茂(10勝)米田(4勝)以来、球団53年ぶり。