阪神金本監督、怒り心頭!連係ミスから勝ち越し許す

9回表中日攻撃終了、3失点に厳しい表情の金本監督。左は北條(撮影・宮崎幸一)

<阪神3-6中日>◇29日◇甲子園

 金本阪神、もったいない負けやなあ。同点の9回1死一、二塁で北條史也内野手(22)が遊撃へのゴロを処理してヨッシャと思ったのもつかの間。北條がどこにも投げられない“ミス”から傷口を広げ、3点を勝ち越された。記録に残るエラーも3つあり、12球団最多の22失策に金本知憲監督(49)も怒り心頭だ。ナイターの金曜日は4勝1敗と元気だが、翌土曜日のデーゲームは0勝4敗。首位奪取には、“昼寝対策”も必要だ。

 一瞬のスキも見せられない勝負どころだった。同点の9回1死一、二塁。ビシエドのたたきつけた打球が三遊間に転がった。遊撃北條はバックハンドで捕球し、そのまま三塁送球に向かおうとした。だが、打球を追っていた三塁鳥谷がベースに戻りきれない。結果的に投げ場所を失い、内野安打でピンチが広がった。守護神ドリスは直後、二遊間後方にポトリと落ちる藤井の勝ち越し打から3失点。虎は接戦を落とした。

 金本監督 ドリスは責められないですね。不運な当たりが多かった、ということで。(この日の失策は)記録で3つ。見えないヤツもいくつか。なかなかしんどいね、続くと。

 1回から守備が乱れた。1点を先制され、なおも2死一塁。北條がビシエドのゴロを一塁へ悪送球。2死二、三塁となり、藤井の適時内野安打で2点目を奪われた。同点の6回には青柳がバルデスの犠打を一塁へ悪送球して降板。金本監督がショックのあまり大きくのけ反ってしまう凡ミスだった。2番手岩崎の快投で事なきを得たが、指揮官は「バント処理ができないようでは、これはもう…」と厳しい表情。青柳は試合後、2軍降格が決まった。

 23試合で両リーグ最多の22失策。だがこの日の9回のように、記録に残らないミスも少なくはない。この日は1回2死一、三塁で左翼中谷が左中間への大飛球をダイビングキャッチ。2回1死一、二塁では右翼福留が右中間への飛球をランニングキャッチ。随所で美技も決まっていただけに、流れに乗れない現状がもどかしい。

 金本監督 もちろん開幕当初よりは減ってきているけど、ナゴヤドームの2試合といい今日といい、守りのミスが負けにつながっている。自覚して、しっかり反省していかないと。

 指揮官は最後、静かに守備陣の巻き返しを願った。今季、ナイター明けの土曜日デーゲームは0勝4敗で、10失策も曜日別で最多。どこに原因があるのか。魔の土曜日対策も必要になってきた。【佐井陽介】

 ▼阪神がナイター明けの土曜日に4連敗。曜日別で今季まだ勝ち星がないのは土曜日だけだ。

 ▼この日も3失策し、今季計22失策は12球団ワースト。青柳の3個のほか、投手陣の失策が計9個というのも目立つが、特に土曜日は10失策と、他の曜日より飛び抜けて多い。1日のマツダで4失策したほか、本拠地甲子園でも計5失策。土曜日に勝てない原因のひとつとなっている。