巨人菅野が狙う、セ斎藤雅樹以来28年ぶりの偉業

3本指を立ててナインに声をかける巨人菅野(撮影・横山健太)

 2年越しの偉業とライバル筒香を、真っ向勝負で制圧にかかる。巨人菅野智之投手(27)が、3連続完封をかけて今日2日のDeNA戦(東京ドーム)に先発する。完封なら、セ・リーグでは89年の巨人斎藤雅樹(現巨人2軍監督)以来28年ぶりの大記録。1日は川崎市のジャイアンツ球場で最終調整。昨年届かなかった記録のリベンジとチームの連敗ストップをかけ、好敵手をホームで迎え撃つ。

 ハッキリと「完封」の2文字を意識下に置いた。中6日の調整期間で準備を整えた菅野が、大記録と正面から向き合った。「3連続完封はやったことがない記録」と価値を認識した上で、エースとして偉業に挑む姿勢を打ち出した。

 菅野 最後までマウンドを守るということを、頭に入れていきます。3連続は個人的にも狙いたい数字。それがチームの勝ちに直結するのであれば、個人的な感情であろうが何だろうが、狙っていいと思う。しっかり意識して投げます。

 結果で応えることが、首脳陣からの信頼に報いる最善策だと捉えている。昨季は開幕戦から3戦、中5日の登板が続いた。だが今年は初登板から4戦連続で中6日の準備期間を与えられている。「それだけ任せられた責任が大きいので、長いイニングを投げなければいけないと感じています。去年は正直、最後まで投げ切るという気持ちは、そこまで大きくなかった」。だからこそ、胸に秘めていた目標を包み隠さずに公言した。

 チームスローガン「新化」を担う今季、昨年までの自分は超えなければいけない対象と認識している。昨季も同じDeNA戦で同記録に挑んだが、不運なアクシデントに泣いた。「あの時は3完封を果たせなかった」と、苦い記憶は今も脳裏に残っている。偶然にも、再び筒香擁するDeNAとの対戦で挑むことになった。「今の筒香は雰囲気が戻っていると感じる。逃げたらやられる。真っ向勝負でいきます」と勝負のポイントに挙げた。

 単なる個人記録への意識ではない。2連敗中のチーム状況を好転させる力があると理解した上で、あえて高い目標をにらんだ。5月最初の本拠地ゲームで、絶対的エースが2・5ゲーム差の首位広島追撃ムードをつくり出す。【松本岳志】