金本監督Vプラン 12年ぶり悲願へノルマ明かす

リーグ優勝へ月ごとの貯金ノルマを明かした金本監督

 悲願Vの合言葉は「3×6」! 阪神金本知憲監督(49)が1日、月ごとに貯金3以上をノルマに設定していることを明かした。3、4月の24試合を貯金4(14勝10敗)で乗り切り、勝てば首位浮上の可能性がある今日2日ヤクルト戦から5月戦線に突入。過去阪神では達成例のない「Vプラン」だが、地道に白星を積み上げ、セ界頂点へ1歩1歩近づいていく。

 貯金はコツコツ積み上げるのみ。脳裏にはVロードの進み方がはっきり描かれている。金本監督は月ごとにノルマを設定していた。

 金本監督 月に3つ(の貯金)を目標にしていたらいい。そんな計算通りにはいかないとは思うけど。目標は3×6=18よ。

 貯金3以上を6カ月続ければ最低でも貯金18をゲットできる。リーグ制覇を十分成し遂げられる数値だ。昨季セ界王者の広島は貯金37で2位巨人に17・5ゲーム差をつけたが、これは独走した場合のパターン。15年はヤクルトが貯金11で、14年は巨人は貯金21でリーグ制覇している。金本阪神2年目の3、4月は貯金4でフィニッシュ。まずはノルマに貯金1を上乗せし、上々のスタートを切ったということだ。

 もちろん、温めてきたVプランを遂行するキーポイントもある。

 <1>流動打線 5月は戦力に実質的な上積みがある。新助っ人キャンベルの故障が癒え、4月25日に出場選手登録された。三塁、一塁、そして左翼も守れるユーティリティーが加入したことで、一気にスタメンの選択肢が広がった。指揮官は「臨機応変にやる方が賢いと思う」と表現した上で、キャンベルの起用法については「(ポジションを)回せばいい。下手じゃないんだから。うまくやれればいい」と説明。個々人の好不調を見極めながら、最善のポイントに助っ人をはめ込む考えだ。実際に4月25日以降の5試合で4通りの先発オーダーを組み、3勝2敗とタイトな試合をくぐり抜けてきた。

 <2>ミス撲滅 ここまで24試合を終えて両リーグワーストの23失策。そんな状況で首位広島に1ゲーム差の2位につけている。守備陣の乱れを減らせば、さらなる躍進が見えてくるのは間違いない。金本監督は守備陣の向上について「伸びしろにしたいよね」と力を込めた。

 月間3を超える貯金ができれば、なおよしだ。それには勢いをつけることが大事になる。今日2日ヤクルト戦に勝てば、首位浮上の可能性がある。奪首こそ、何よりの起爆剤。ゴールデンウイーク。虎がしたたかに貯金額を増やしていく。【佐井陽介】

 ▼今日2日に阪神が首位に立つケースは1つ。阪神○広島●のときで、阪神は15勝10敗で勝率6割、広島は16勝11敗で5割9分3厘。0ゲーム差だが、阪神が勝率で上回る。

 ▼阪神が2リーグ分立後に、すべての月に勝ち越したのは、52、62、05年の3度。このうち62、05年はセ・リーグ優勝を飾り、52年は2位。ただ、毎月3以上の貯金を重ねた年はない。