広島中村祐太あすプロ初登板初先発、本塁打宣言も

練習の合間にエアスイングする広島中村祐

 期待星ついにデビュー。広島中村祐太投手(21)が1日、1軍練習に参加した。明日3日中日戦でプロ初登板初先発が見込まれる。1年目から期待されながらケガに悩まされてきた右腕がついに1軍マウンドに上がる。2軍で安定した成績を残した投球に加え、本塁打を放った打撃を1軍で披露するときを心待ちにする。21歳右腕が、チームの停滞感を打ち破る。

 天然芝を照らす日差しに負けない強いまなざしで汗を流した。21歳の中村祐は待ちに待ったデビュー登板を待ち切れないように、はつらつとした動きを見せた。投球練習はブルペンではなく、マツダスタジアムのマウンド。44球を投げ「楽しみです。当日になれば緊張すると思うので、今は楽しみの方が大きい」と、晴れやかな表情で胸を張った。

 14年秋、就任したばかりの緒方監督から初の1軍キャンプに登用され、高評価を受けた。だが、右足くるぶしの疲労骨折や右肩痛など度重なる負傷が、成長を遅らせた。今春も1軍スタートながら、キャンプ終了とともに2軍降格。オフから練習パートナーを組んだ岡田から学び、今春キャンプでは中崎の調整法を取り入れ安定感につなげた。

 2軍で5試合に登板し、1勝1敗。防御率2・14はウエスタン・リーグ2位、24奪三振は同1位。自らの手で1軍切符を勝ち取り「準備はしっかりしてきた。チャンスをつかむというよりは、自分の投球をしっかりすればチャンスもいっぱいもらえると思う」と胸を張る。

 楽しみにしているのは投球だけではない。「大好き」と言う打撃にも注目だ。4月15日ウエスタン・リーグのソフトバンク戦で山田から本塁打を記録した。「1軍の投手の球を打席で感じることは、投球にも生かせる」。瞳を輝かせ「狙います」と本塁打宣言も飛び出した。

 練習を見守った小林投手コーチは「もともと他の投手と違う球質が持ち味。(2軍で)しっかりやってきたことを出してくれればいい」と期待する。2軍寮で一緒になったドラフト3位床田寛樹投手(22=中部学院大)は中日に4月5日、7回途中3失点だっただけに「僕は7回2失点に抑えます」と先輩に宣言して寮を出た。チームは最近5カードで勝ち越しは1度。停滞感漂う中、怖さを知らない21歳が刺激剤となる。【前原淳】

 ◆中村祐太(なかむら・ゆうた)1995年(平7)8月31日、東京都生まれ。関東第一から13年ドラフト5位で入団。高校では1年秋からベンチ入り。2年春はセンバツで3完投を記録するなど、ベスト4に貢献した。プロ入り後は度重なるケガの影響もあり、3年間の登板は2軍の14試合のみで1勝4敗、防御率6・94。今季は開幕から2軍の先発ローテ入りし、5試合で1勝1敗。防御率2・14。182センチ、80キロ。右投げ右打ち。